現代演劇史に輝く名作『寿歌』の作者・北村想とシス・カンパニーが、日本文学に大きな足跡を残した作家や名作へのリスペクトを込めてオリジナル戯曲を創作するシリーズ「日本文学シアター」の第5弾『お蘭、登場』が6月16日(土)より東京公演をスタート。これまで、太宰治「グッド・バイ」、夏目漱石「草枕」、長谷川伸「沓掛時次郎」、そして、能「黒塚」と、様々な日本文学の世界にモチーフを求め、北村想が自由な発想を炸裂させてきた人気シリーズだが、今回のモチーフは『江戸川乱歩』だ。

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小泉今日子が演じるのは大胆不敵な七変化で神出鬼没のヒロイン・お蘭

 江戸川乱歩と言えば、大正から昭和にかけて活躍した日本のミステリー界の礎を築いた巨星。その “エンタテインメント”要素に溢れた超ディープな世界観が魅力だ。そんな“乱歩テイスト”に彩られ、大胆不敵な七変化で神出鬼没のヒロイン・お蘭が誕生!

 お蘭役を演じるのは、シリーズ2度目の登場で前回出演作「草枕」で紀伊國屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞優秀女優賞に輝いた小泉今日子。謎の女・お蘭が繰り出す妖(あやかし)のワザに翻弄される名探偵小五郎と目黒警部をそれぞれ、「グッドバイ」「黒塚家の娘」に続き、3作目のシリーズ出演となる高橋克実、「寿歌」で北村想の伝説的な戯曲に新たな命を吹き込んだ堤真一が演じる。

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 そしてこのたび、小泉、堤、高橋の3人からコメントも到着。作品に対する思いを語っている。

◆小泉今日子 コメント

3年前の『草枕』は夏目漱石の文学性の中にいる感覚でしたが、今回の江戸川乱歩では、北村想さんが取り上げる作家が違うだけで、こんなに劇文体も変わるのか、という印象を受けました。 今回は、乱歩=想さんが3つの“人形”で遊んでいるような雰囲気です。箱の中に入れられた私たち3人のやりとりを見ているうちに、お客様をいつの間にかこの世界に巻き込んでいけたら、と思っています。

◆堤真一 コメント

「寿歌」以来の北村想さんの作品で、このシリーズには初参加です。推理や謎解きがベースで、僕と克実さんが小泉さんに振り回されながらも追っていく話ですが、裏にきちっとした社会的なテーマがある知的な作品です。乱歩と想さんが合体した言葉を身体になじませて、言葉を遊べる域までもっていきたいと思っています。でも会話も軽快ですし、克実さんが出ているだけで笑えます(笑)。楽しい舞台になりますよ!

◆高橋克実 コメント

今回はシリーズ3作目の出演です。想さんのこのシリーズで面白いのは、僕たちが知っていそうで知らないテーマを掘り下げて盛り込んでいるところです。今回も、シリアスなテーマを寺十さんが軽やかに楽しく見せてくれています。でも、とにかく見どころは、小泉今日子さんのときめきの七変化でしょう。堤真一さんの名探偵と僕の目黒警部がお蘭に振り回される設定なんですが、僕ら、喜んで翻弄されまくってますから。

ストーリー

 断崖絶壁の濁流に投げ込まれた一輪の花。名探偵小五郎と目黒警部を待ち受けていたのは、 神出鬼没の謎の女、お蘭だ。事件あるところに必ずお蘭の影あり。大胆不敵な七変化で小五郎と警部を翻弄する。次々と奇妙な事件が起きるなか、お蘭のターゲットはついに……。果たしてお蘭とは何者なのか。そして、その真の目的とは!?

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SIS company inc. Web / produce / シス・カンパニー公演 お蘭、登場
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