“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのセントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコの2人が、グループのターニングポイントとなった瞬間として揃って2016年10月8日に開催した日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブを挙げた。
チッチとハシヤスメはAbemaTVの人生逆転リアリティーショウ「リアルカイジGP」6月17日放送回に生出演。約3万5000人のエントリーからたった1人が1億円を獲得できる同番組のテーマが「人生逆転」であることにちなみ、放送終了後の取材で自身の一発逆転の瞬間、人生で勝負を賭けた瞬間、人生が変わった瞬間について語った。
今年3月にリリースしたメジャー3rdシングル「PAiNT it BLACK」がオリコンウイークリーシングルランキングでシングル・アルバムを通じて初の1位を獲得し、5月22日には過去最大規模の会場となる横浜アリーナでの初ワンマンライブをソールドアウトさせるなど、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのBiSH。それだけに、2人の人生の転機はやはり「BiSHに入ったこと」で一致した。
もともとやっていたアイドルグループを辞めてオーディションを受けたチッチは、「絶対入りたいって思って受けたけど、800人中5人合格というようなオーディションだったので、人生をかけて臨みました」と振り返った。BiSH結成後、チッチの人生は文字通り大きく動き始める。
BiSH最初の新メンバーとして加入したハシヤスメも「まったく一緒。渡辺さん(プロデューサーの渡辺淳之介氏)が作ったグループを見ていて楽しそうだと思って、ここだったら自分を生かせそうだと思った。実際BiSHに入って人生が180度変わったし、『リアルカイジGP』のお仕事みたいに楽しいこともできています」と同意した。
現在BiSHは6人編成。最も新しく加入したのが2016年8月のアユニ・Dだが、これを最後にメンバー変動もなくなり、メジャー1stアルバムをリリースするなど着実にステップアップしていく。グループとしてのターニングポイントについて聞くと、チッチはアユニ加入2カ月後に行われた日比谷野外大音楽堂でのライブを挙げた。「6人になって野音のワンマンまでに積み上げて、野音でやっとワンマンやって、そこから空気が変わった。この6人じゃなきゃだめなんだって思えるようになりました。それまで毎日不安なことばかりだったんですけど、それよりも“楽しい”が優先するようになった。この6人で行くんだっていうのがやっとはっきりした瞬間でした。BiSHが生まれた瞬間というか、卵の中から飛び出して行くという演出があったんですけど気持ちもそういう感じでした」。
ハシヤスメも「アユニが加入して今の6人になったときがやっぱりターニングポイント」だとし、「アユニが入ってツアーもいっぱいやって野音に立った。あの瞬間は今も忘れられないし、また野音でライブしたいなって結構思っています」と明かした。
今後の夢について聞くと、チッチは「ずっと目標にしているのは東京ドーム。一歩ずつ積み重ねて、いつかは立ちたいと思っている場所です」と語った。また、個人的にはBiSHで海外公演をやりたいそう。Twitterで海外のファンから「来てね」という内容のリプライをもらうことがあり、「私たちに会いたいと思ってくれている人がいる場所に私たちが出向きたい」のだという。最初に行くなら、日本の女性グループ人気が確立しているアメリカやヨーロッパではなく、東南アジアに行ってみたいとも話した。
ハシヤスメの目標は「老若男女に愛されるグループになること」。続けて「そして会社を大きくしたいです。お世話になっている渡辺さんに恩返しがしたい。最初の頃、ずっと『六本木ヒルズに事務所を構えたい』って言っていたので、それが本当に叶えば渡辺さんの夢も一緒に叶うから、会社をでかくしたいなって」と語った。
チッチも「うちの事務所はBiSHと一緒に成長してきたんです」とこれに同意。「会社ができてからすぐBiSHを作ってくれたんで、一緒に成長している感じがする。だから私たちが大きくなっていけば会社も大きくなっていける。渡辺さんがそれこそ億万長者みたいな感じでテレビに出るようになったらおもしろいな」と笑った。
▼リリース情報
BiSH 両A面シングル
『Life is beautiful / HiDE the BLUE』