昨シーズンまでフウガドールすみだバッファローズでプレーしていた三笠貴史は、Fリーグ選抜の初代メンバーとなった。諸江剣語と渡井博之という2人の“先輩フィクソ”を越えるために選んだチャレンジだ。そのためにどうすべきなのか、答えは自分の中にある。だが、その場所にたどり着くのは簡単なことではない。それでも彼は、強い決意を持って、若手チームのキャプテンとしてピッチに立っている。

“攻撃的なフィクソ”を目指して

「彼自身、就職に前向きでした。しかし、全日本選手権でバッファローズとしてベスト8に進出して、おそらく自分がもっと輝けるという自信を持って、よりひとつ上のカテゴリーで戦いたいという気持ちが強くなったんじゃないかと思います」(フウガドールすみだ・須賀雄大監督)

 この先もフットサル選手として上の舞台を目指すのか、それとも就職すべきなのか。今年3月、当時22歳の三笠は葛藤を抱えながらプレーしていたが、すみだの育成組織であるバッファローズで出場した全日本選手権で、都道府県リーグ所属ながら“2階級越え”でFリーグ勢が待ち構える決勝トーナメント進出を果たした。この結果で自信を手にしたことで、若手にチャンスが与えられる「Fリーグ選抜」のことが頭をよぎった。

「ここでやめたら、きっと後悔する」

 そんな思いと同時に、須賀監督の「諸江と渡井の次を担えるフィクソになってほしい」という言葉にも後押しを受けて、三笠はFリーグ選抜という“武者修行”の道を選んだ。

 キャプテンは、自ら志願して就任した。その決断には、すみだのトップチームで、同じフィクソとしてキャプテンを務める諸江からのアドバイスも影響していたという。

「剣語さんにはよく(周りを)見ろよっていわれていました。自分のプレーだけじゃなくて、周りを引き立たせるからこそ、それが自分にも還ってくるんだぞって」

 諸江は日頃から、若手もベテランも関係なく「自分の得意なプレーを出せる環境を作れるように意識している」と言う。三笠も、そんなプレーヤー像を思い描いていたからこそ、ピッチの中でも外でも仲間を引き立たせられるリーダーになろうと決めたのだ。

「若い分、トップチームだとどうしても周りに合わせるプレーが多くなってしまいます。だからこそ、同年代の選手とやることで主体性がどんどん出てくればと期待しています」(須賀監督)

 周りを生かすこと。周りに合わせずに主体性を出すこと。相反するようだが、突き詰めるとそれは“攻撃的なフィクソ”という、彼が理想とするプレースタイルに行き着く。

 周りを生かしながら、チャンスと見るや、自分でも果敢に攻めていく。三笠には、それを可能にする武器がある。「三笠のシュートは、僕よりもずっと素晴らしい」(諸江)。左右どちらの足でも強烈なシュートを打てることが持ち味であり「2ケタ得点」という目標も大げさではないだろう。

 すみだに戻ってきた時に、先輩たちを脅かせるように。クラブの、そして日本の次代のフィクソとなれるように。三笠は今シーズン、どんなフィクソへと進化を遂げるのだろうか。

文・舞野隼大(SAL編集部)

(C)AbemaTV

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