
20日、今国会の会期が来月22日まで延長されることが決まった。政府・与党は、「カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案」や「働き方改革関連法案」などを確実に成立させる方針だ。
“働き方改革”が叫ばれる昨今、法律の整備だけではなく、オフィスの環境整備によって働き方改革を実現する企業も現れている。『けやきヒルズ サタデー』(AbemaTV)では、そんな企業の取り組みを取材した。
(1)長さ1kmの“ぐにゃぐにゃ”テーブル

コンテンツ配信サービスなどを手がけるDMM.com。オフィスの受付はまるでジャングルのように植物が生い茂り、会議室スペースへ進むと花で彩られたライオンが出迎えてくれる。この案内役は、プロジェクションマッピングで映し出された26種類の動物たちで、チームラボが手がけたもの。こうした“非日常空間”は、働く社員にとって発想力を培うことにも役立っているという。

そして、働く社員のオフィスにもDMMならではのこだわりが。途切れることなく繋がり、社員が通れるよう一部はトンネルの形になっているテーブル。長さは1kmを誇り、あえて動線を長くすることで社員同士の会話を自然と生む狙いがあるという。実際に働く社員からは、「普通に(机が)縦に並んでいるオフィスよりも人とコミュニケーションが取りやすい。切迫感もなくて居心地がいいと思う」との声があがる。
(2)社内の居場所を検索で特定
次に訪れたのは、神谷町にあるITを活用したツールを扱うPhone Appli。特徴はフリーアドレス、いわゆる個人のデスクがないオフィスだ。Phone Appliでは、フリーアドレスで「社員がどこにいるか把握できなくなる」といった問題を解決するサービスを提供している。

「連絡とれるくん」のオプションサービス「居場所わかるくん」は、パソコンやスマートフォンを通じてマップ上に社員の居場所を表示できるもの。名前を検索すればマップ上に位置情報が現れ、迷わずその人に会いに行くことが可能だ。同社の社員も「自宅で仕事ができるというのが一般的な働き方改革のイメージがあるが、どこでも働けるけど会社で働きやすくなって来たくなる。ある意味、働き方改革の一環だと思う」と話す。
(3)第2のオフィス、メガネで“集中”を促進
メガネチェーン「JINS」の特徴は、壁が一切なく開放的なオフィス。MEME事業部の長濱謙一郎さんは、「(オフィスが)できたばかりで、綺麗で一部開けているのでコミュニケーションしやすい」と働きやすさを挙げるが、そのほかに集中できる場所があるという。

案内されたのは、JINSの社員が自由に使えるもう1つのオフィス「Think Lab」。中には植物が生い茂り、デスクは約160席。オフィスルームやミーティングルームなど3つのエリアに別れているほか、思考によって使い分けられる3種類の椅子、自然光に近い照明で体内環境を整えるなど、集中力を高める様々な仕組みが考えられている。長濱さんは「上(の壁がないオフィス)だとコミュニケーションが取りやすいので、自分が考えたアイデアを同じ部署の人たちと共有して、そのアイデアの細かい部分をしっかり考えたい時にこちら(Think Lab)の集中できるスペースで作業を行うことが多い」と利点を話す。

さらに、JINSでは最新技術を駆使したメガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME」も活用。まばたきの回数や視線の移動、姿勢の変化などからセンサーで集中度合いが測定・記録され、自分が集中しやすい曜日や休息のタイミングを教えてくれるようになっている。
(4)指紋認証で社員証、財布いらず?
オフィスの出入り口に指紋認証を取り入れているのは、大手不動産会社の三菱地所。出入り以外にも、社内で売られている飲み物や食堂の清算も指紋認証で行うことができる。首から社員証をぶら下げる、社内で財布を持ち運ぶ必要性がなくなるほか、ポケットがないことも多いスカートを履く女性にも役立っているという。

様々な形で工夫を凝らしたオフィス。社員のことを一番に考えた快適なオフィス作りが、何よりの働き方改革なのかもしれない。
(AbemaTV/『けやきヒルズ サタデー』より)

