26日、都内で講演した自民党の二階幹事長は、「この頃、子どもを産まない方が幸せなのではないかと、勝手なことを自分で考えている(人がいる)。みんなが幸せになるためには子どもをたくさん産んで、国も発展する方向に向かうように頑張ろう」と持論を展開した。
その前の24日、麻生財務大臣は新潟県で行われた講演会で、去年秋の衆院選で10代から30代前半の若年層で自民党の得票率が高かったことを持ち出し、「10代、20代、30代前半、一番新聞読まない世代です。新聞読まない人たちは全部自民党なんだ」と発言。「新聞とるのに協力なんかしない方がいい」とも述べるなど、政治家による失言が続いている。
麻生財務大臣が挙げた若者の「新聞閲読時間」について、総務省 情報通信政策研究所の調査報告書によると、平日1日の平均は10代が0.3分、20代が1.4分、30代が3.8分、一方40代が8.0分、50代が14.4分、60代が25.8分と、若者が圧倒的に少ない。麻生財務大臣の発言と合致するものだが、東京工業大学准教授の西田亮介氏は発言の背景に「フラストレーション」と「新聞の影響力低下」もあると指摘する。
「森友・加計問題で、麻生大臣は度々矢面に立たされてきた。新聞でも社説を通して進退が議論されるようになっていて、特に新聞に対するフラストレーションが溜まっていると考えられる。もうひとつ、新聞と政治は古くから相性のいいメディアで、新聞は時に政治を厳しく追求する反面、政治家の主張を全国に伝える是々非々の関係にあった。それが今、若者は新聞を読まなくなり、ソーシャルメディアのアカウントを持つ政治家も増えている。政治家が直接情報を伝えることができるようになり、新聞に対して遠慮や配慮する必要がなくなってきたのではないか」
では今後、新聞を軽視するような政治家が増える可能性もあるのだろうか。西田氏は「総理大臣が特定の新聞社の取材にだけ応じるということがすでに起きている。新聞社の取材を断る政治家も増えてきていて、現実のものになってきている」と見解を述べつつ、麻生財務大臣の発言は「『人々は新聞も読まないんだろう』という愚民観も感じられ、あまり気持ちのいいものではない」とした。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)