
仕事をせず、女性が働いて稼いだお金で養ってもらう"ヒモ"。最近では、特定の誰かに養ってもらうのではなく、SNS上で奢ってくれる人を募集しながら生活する"プロ奢ラレヤー"も出現している。
また、テレビ朝日では7月からヒモをテーマにしたドラマ『ヒモメン』がスタートする。窪田正孝さん演じる、働かないことに全力を尽くす"イケメンヒモ男"を更生させようと奮闘する川口春奈さん演じる彼女との関係を描く"ヒモ体質改善コメディ"だ。
そんな中、伝統的なヒモスタイルを30年も続けるレジェンドを発見した。関係を持った女性は1000人以上、貢がれた総額は1億円を超えるというヒモショウヘイさん(56)だ。通り名は昭和のプレイボーイ・火野正平さんの名前から一部拝借したという。
ヒモさんは大学卒業後、22歳で自動車関係の商社に就職したものの1年で退職。それ以降、定職に就かず、ヒモ生活を送ってきた。
「当時は終身雇用だったので、一生この仕事をやるのはつまらないなと、何も考えず辞めてしまった。人に使われたくないと思ったら、ヒモしかなかった。たまたま時代はバブルで、世の中におカネが溢れていた。成功した男が女に貢ぐというのがあちこちにあった。じゃあ、貢ぐ男がいて貢がれる女がいるなら、女に貢がせちゃおうかなというのが発端。学生時代から女性と遊んでいて、女性を口説くのは難しいことじゃなかった。ただ、今はインターネットがあるので、今の時代に生まれていたらヒモをやっていなかったと思う」と話す。
■「お金を持っている女性に徹底的に惚れさせられるか」
「普通の恋愛と基本的には同じ。お金を持っている女性に徹底的に惚れさせられるか。これしかない。"働こうかな"と言ってみると、"いいよ、働かなくて。私が稼ぐから"と言う。そういう状態をつくる。自分の仕事や顔はまったく関係ない」と話すヒモさん。これまで養ってくれたのは風俗嬢や会社経営者、大企業のOLなど、高収入の女性ばかりで、貢がれた物の中には高級外車(BMW)400~500万、時計(ロレックス)150~200万、ネックレス(30万)などかなり高価な物もある。

「まず、風俗に行って口説いた。普通の人は遊びに行って、あわよくば外で会えるかなと考えるんだけど、僕の場合は最初から口説こうと思って行った。当時の風俗嬢はかなり稼いでいたので、"この人が喜んでくれるなら、私が稼ごう"という気分になったのだと思う」。
現在、ヒモさんは「ビジネスパートナー」と呼ぶ50代の女性に養われ、4畳半の部屋で一緒に生活している。炊事、洗濯などの家事は行っていない。この関係はすでに10年以上に及ぶ。「彼女が毎日、風俗系の仕事へ行って日銭を持って帰ってくる。波はあるが、月に30~50万前後」。
女性側に取材を断られてしまったため、直接話を聞くことはできなかったが、ヒモさんは女性の気持ちをこう分析する。「僕といることが楽しい。でも僕が仕事しないから稼がないと生活ができない。僕ももう若い時ほどじゃないが、もちろん肉体関係はある、逆に言うと、そういう関係だって証明できることが他にない」。

以前ヒモを養っていたという著述家の北条かや氏は「ヒモメン」の魅力ポイントを「相手の事を絶対に否定しない」「食事の面倒をみることが喜び→男性を支配している快楽」「心が浄化される」と話す。
明星大学の藤井靖准教授(心理学)も、「他者から必要とされることで、自分の存在価値を潜在的に補っている。母性本能や自己顕示欲であることが多い」と指摘する。恋愛対象というよりも、まだまだ男性中心の社会環境の中で「自分が男性を養っている」という感覚が自己実現への実感を与えているのだという。
■「他に25、6年付き合っている、本命の彼女がいる」もう一人の女性の存在も
1日のほとんどをこの部屋で過ごすヒモさんだが、1時間1000円で自分を貸し出す「自分レンタル」というアルバイトをしている。ネットで依頼してきた人の恋愛相談などに乗っているという。

この日は、オシャレなカフェで30歳男性の相談を受けた。「あの件ですが、1回マッチングアプリから送ってみたが、反応がないのでしょうがない」と話す依頼人男性に、「数をこなせば色んなことが分かってくるので、きっかけをいかに自分から作るか。待っていても出会いなんてこないからね」とアドバイスを送っていた。
男性はヒモさんについて「技術を身につけないと自分が好きな人を幸せにできないと限界を感じていたところがあった。ヒモさんの人の心をつかむ力はすごいと思った」と心酔しているようだった。
ヒモさんが「自分レンタル」で得ている収入は月5万円ほどだ。パートナーの女性からお小遣いをもらっているのに、なぜ自分で稼ぐ必要があるのだろうか。それは衝撃的な理由だった。
「他に25、6年付き合っている、本命の彼女がいる」。養ってくれている"ビジネスパートナー"の他に、別の女性がいるというのだ。しかもその女性にはヒモ生活を送っていることを証しておらず、「都内に事務所を持っていて、パソコン使って仕事をしている」と説明しているのだという。「自分レンタル」のアルバイトをしているのも、「"表向きの顔"を作らないといけない」という理由からだ。
4畳半の部屋で暮らしているのも、「事務所兼自宅で狭いから入れない」と言い訳するためだ。「気付かれてしまったら、もうアウト。考えたくもない」。一方、養ってくれている女性は、別の女性の存在を知っているのだという。「僕は最初に全部言ってしまう。世の中の男女の争いは、どっちかが最初に嘘をついていたことが大抵の原因。"あなたがこの仕事を辞めたら僕もいなくなります"とも言った」。

今までに1000人以上の女性と関係を持ってきたヒモさんだが、本命として付き合った女性は2、3人だという。本気で付き合っているときには決して「心の浮気」はしないといい、「遊びっていうのは、本当にこの人以外考えられないという人がいて初めてできるものだと思っている」と主張した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

