DDTのゴールデンタイム・レギュラー生中継大会「DDT LIVE! マジ卍」で、事故映像レベルの大乱戦が発生した。
7月3日の新木場1st RING大会でのこと。この日のメインは竹田誠志vs竹下幸之介vs樋口和貞vsMAOの4WAYマッチだ。「マジ卍」初参戦となる竹田は今年、デスマッチ2冠の偉業を達成。ルールもエニウェアフォール(リング以外の場所でもフォール可)とあって大荒れ必至の試合だったが、実際の闘いは予想をはるかに超えるものに。
序盤から客席を蹴散らしながらの場外戦。イスでチャンバラを繰り広げたかと思えば、竹田と樋口は頭に竹串の束を突き立て合う。そんな中、かねてから“大社長”高木三四郎と因縁のあるMAOは解説席の高木と一触即発の状態となり、暴挙に出てしまう。
会場の搬入用シャッターを開放すると、社用車(バン)に乗り込んだMAOは場内に突っ込み、その勢いで高木を跳ね飛ばしてしまった。プロレス生中継での、放送事故ならぬ交通事故である。
(MAOは肛門爆破、花火攻撃とやりたい放題の展開に)
MAOにとっては2度目の“犯行”。その後も会場外の自販機からダイブ、樋口の肛門を爆破、顔面に花火攻撃と異様なテンションで暴れまくるMAO。竹下もいつも以上のテンションで、駐車場に組まれたイントレ(ヤグラ)からのテーブルクラッシュ・ボディプレスを敢行してみせた。
(竹下はヤグラから樋口にボディプレス。それぞれが狂気性を全開に)
(C)DDTプロレスリング
しかし“なんでもあり”の闘いなら、やはりこの男が一枚上手だった。最後は竹田とMAOがバンの屋根の上で闘う展開となり、竹田がルーフ上ジャーマン、さらに地面(コンクリートの上にイスを盛った状態)に捨て身の投げ技・リバースUクラッシュを放って決着となった。とてつもない荒技に成功した竹田だけでなく、MAOが残したインパクトも凄まじいものだったと言える。
(フィニッシュとなったバンの屋上からのリバースUクラッシュ。とてつもない落差、そして固さだ)
(C)DDTプロレスリング
限りなくハードコアマッチに近いエニウェアフォール4WAYで勝利した竹田は、DDTの面々について「他の団体の若手より狂ってるしいろいろ考えてるし、楽しかった」とコメント。とりわけMAOを「ナチュラルに頭おかしい。あのタイプはデスマッチ、ハードコアやらせたら化ける」と称賛していた。
一方、試合直後は完全KOだったMAOもコメント。「ヤバすぎた。今日はやばたにえん。やばめ潤」とダジャレにも狂いっぷりを感じさせると「竹田さんヤバいですね。DDTも負けてらんない。僕は普通の生活しくないからプロレスラーやってるようなもんなんで。非日常のルール、相手がいると強くなれる」という言葉も。
竹田がデスマッチキングの貫禄を見せつつ、DDT勢の“ヤバさ”も光ったこの一戦。「マジ卍」史上に残る激闘だった。