7月9日、横浜DeNA捕手の一角を担っていた高城俊人捕手(25)のトレードが発表された。横浜DeNAからは高城に加えて白崎浩之内野手(27)、一方のオリックスからは伊藤光捕手(29)、赤間謙投手(27)といった2対2のトレード成立だ。このトレード、横浜DeNAの補強ポイントとなるのは「捕手」。さらに「打てる捕手」ということになる。

 9日の試合前、ラミレス監督は「うちのキャッチャーは打撃で苦しんでいる。攻撃的な面ではチームに助けになると思う。配球とかのIQはうちのキャッチャーとそんなに変わらないとは思うが、打撃の方で貢献してくれると思う。僕もオリックスで巡回アドバイザーとして見ていたが、コンタクトがうまくて三振があまりない。セ・リーグにくれば打てると思う。過去いい成績を残していた。セ・リーグにくればもっといい成績を残せると思う」と、伊藤について報道陣に話し、期待を示している。

 近年、横浜DeNAは正捕手を固定できず、併用体制で凌いできた。そのことについて、横浜DeNAのOBで、球界を代表する捕手の一人であった谷繁元信氏に話を聞いた。

 まず適宜「併用」か、辛抱強く「育成」かという問題について聞くと、「厳しいようだが」と前置きをした谷繁氏は、次のように持論を語った。

 「一見すると、投手との相性や選手のコンディションを考慮した併用状態ですが、嶺井、高城、戸柱の誰もが、捕手として独り立ちというレベルに達していない問題が根底にあります。言わば、積極的併用というより、仕方のない併用です」

 ならば中長期的視野に立ち、「根気強く正捕手を育成する」という選択肢を取ることは難しいのか? そのことについて谷繁氏は次のように続けた。

 「もちろん固定が理想的ではあります。ただしそれは、ある選手に『可能性』が感じられればの話です。具体的には打率.250、ホームラン二桁、打点50。守備的な話で言えば、キャッチング、ブロッキング、二塁への送球の安定性。それら攻守のバランスが、辛抱に値するか否か。リード面は試合数を積めば後から付いてきますが、残念ながら、3人とも“現時点では”その域に達していないという現実がありました」

 新しくチームに加わる伊藤は、2008年に明徳義塾高から高校ドラフト3位でオリックスに入団後、2014年には137試合に出場。ゴールデングラブ賞やベストナインに輝くなどの実績を持つ一方、今シーズンは7試合出場にとどまっている。指揮官に打撃を評価されての加入となるが、正捕手としての確約はどこにも無い。残る嶺井や戸柱との競争の中で、誰が正捕手の座をつかみ取るのか。「捕手が固定されないことは投手の負担。後半戦を戦う上での懸念の一つ」と谷繁氏が語るだけに、今回のトレードが、今シーズンの行方を左右する出来事であることは間違いなさそうだ。

(C)AbemaTV


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