米Twitter社は13日、フォロワー数の信頼性を高めるための取り組みとして、長期間活動の形跡がないアカウントなどを一斉に削除する措置を講じた。
削除の基準は、一人で複数アカウントを使い分けている人はOKだという一方、フォロワーを増やすための機械的なアカウント、スパムアカウント、嫌がらせや攻撃的なツイートをするもの、長期間活動の形跡がないものだという。Twitter社は「意図的にフォロワー数を水増しする行為の防止が目的で、この影響により多くの利用者のフォロワー数から平均して4アカウント程度が減少する予定だ」と説明している。
AbemaTV『AbemaPrime』に出演したITジャーナリストの三上洋氏は「インフルエンサーを使いたい企業はまず広告代理店に頼み、広告代理店がネット系の代理店に頼み、ネット系の代理店はインフルエンサー系の事務所に頼み、末端の人にいく。そのため、企業の人たちはインフルエンサー本来の価値が分かっていないケースが多く、代理店の人たちが"何万人いるので影響力がある"と言われると受け入れてしまう。例えばCMの出演候補のプレゼン資料にAさんは30万フォロワー、Bさんは18万フォロワーと書いてあると、おじさんたちはタレントにどんな魅力があって…ということは見ず、単に数字が多い方しか見ない。そうした構造があるために、"フォロワーを買う"というビジネスが成り立っているのではないか」と話す。
「プログラムが機械的にツイートする、いわゆる"bot"だが、日本人かどうか、プロフィールが自然か、毎日書き込みがあって人間のフリをしているかどうか。それらによって人間っぽく見せている方が高クオリティとされる。高品質なフォロワーは３～５円、中品質は１～２円、低品質は0.3円～１円ほどで取引されている。また、そうしたアカウント自体も販売されている。TwitterのIDとパスワードを、フォロワー数あたり１～５円で売る。14万人のフォロワーがいれば14万円～で買えることのなり。ゲームに詳しい人や、タレントさん、化粧品に詳しいなどのジャンルの人たちだと高くなる。買っているのは売れないタレントやインフルエンサー、ネットビジネスの人、怪しい代理店などだ。投稿そのものがカネになる。Instagramの投稿にも実は裏でお金が動いている場合があり、怪しめの代理店に聞いてみたら、１回の投稿でフォロワー数あたり１～３円ほどだという」。
SNSを使ったビジネスに詳しい「milieu」編集長の塩谷舞さんは「フォロワー数を元にインフルエンサーに仕事の依頼をする企業にとって、今回の処置によって正しい評価ができるようになり、ビジネスが適正になるのでは」と話した。（AbemaTV／『AbemaPrime』より）
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