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 「この通常国会は我が国が次の時代に向かって大きな一歩を踏み出した。そういう国会になったと考えている」。20日に事実上幕を閉じた第196回通常国会。通常国会について、会見で安倍総理はそう総括した。

 一方、共産党の志位和夫委員長が 「歴史上かつてない異常国会になった。改ざん、隠蔽、ねつ造、虚偽答弁」と批判したように、働き方改革「データねつ造」疑惑(2月)、森友文書「改ざん」問題(3月)、自衛隊日報「隠ぺい」問題と福田前財務次官「セクハラ」問題(4月)、加計文書に「首相案件」「首相と面談」と記されていた問題(4~6月)など、会期中には様々な疑惑が浮上した国会でもあった。

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 また、会期末を目前に朝日新聞の世論調査で国民の半数以上が反対している参議院の定数6増法案の審議をわずか3時間で打ち切り、力技で押し通した。採決を棄権し"造反"した自民党の船田元・衆議院議員は、自身のFacebookに「多くの党が反対する中での採決であり、拙速のそしりを免れない。理由の如何を問わず定数増は国民に理解されるものではない」と訴えた。しかし、「国民をなめてはいけない」と法案に反発していた小泉進次郎衆議院議員は、「私だけにブーイングしてくれるというのは、名誉あるブーイングだと思う。改めて国会改革をやらなければいけないなという決意を新たにする意味での賛成」として、党の決定に従って賛成票を投じた。

 さらに、これも朝日新聞の世論調査によると国民の4分の3が反対しているというIR法案、いわゆるカジノ法案も成立。カジノの経済効果や依存症対策の試算は示されず、どんな施設の詳細についても今後の検討に譲る格好となっている。

 21日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』では、与野党の議員が今国会を振り返った。

■自民・平沢議員「明日の日本を創る国会だった」

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  野党の猛批判の中、衆院政治倫理・公職選挙法改正特別委員会の委員長として参院6増法案の採決に踏み切った自民党の平沢勝栄・衆議院議員は、「明日の日本を創る国会だった」と話す。「色々な問題は別として、働き方改革などの重要な法案が通った。IR法案の採決では"カジノよりもエアコン"と言ってプラカードを出している人がいたが、別にカジノに税金を使うわけではない。民間の資本でやることを理解してないからああいうことになる。日本に来られた外国からの皆さんが、アフターディナーの楽しみがなく、"日本という国はつまらない"とおっしゃる。そういう方に楽しんでもらう場所を設けることだ。もともと民主党政権の時に超党派の議員連盟を作った。その議員連盟には社民党と共産党以外、民主党のそうそうたる方など200名以上の方が入っていた。早くやろうと。ところが急に風向きが変わってしまった。6議席増についても、私が強行採決したと言われるが、これは参議院の法律で、私たちは衆議院としてやることをやった。本来は憲法を改正してやるべきことだが、ところが憲法改正がなかなかできないから、こういう形での解決になった」と振り返った。

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 国民民主党の渡辺周衆議院議員は「道義なき国会」と表現。「もし外国人が夜を楽しみたいということであれば、今頃とっくに駅前のパチスロ屋さんに来ている。外国人の観光客が求めるのはそんなことではない。今回議論されたカジノは日本人の懐を狙っている。そこにマーケットがあるからということで、トランプ大統領のスポンサーとされるような人を安倍さんに引き合わせたりしながら、とにかくやれということだった。刑法の賭博の例外を作るようなことになる。ある所ではお縄をちょうだいするが、ある所では合法でレジャーだということがあってはいけない。そういった説明がまったくされないまま数の力で押し切った。参議院の定数にしても、野田総理と安倍総裁が2012年に定数減で約束したのが、まさかここに来て、よく分からない理由で6増なんてことをやってしまった」と批判した。

■足立議員「猿芝居国会」vs小西議員「安倍翼賛国会」

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 日本維新の会の足立康史衆議院議員は「懲罰国会。別名、猿芝居国会」だと話す。伊達参議院議長が森ゆうこさんたちを懲罰委員会に付託すると言った。つまり、今国会は懲罰動議で終わった。そもそも私に対する不当な懲罰動議も出ている。私にとってこの国会は不当な懲罰動議に始まり、真っ当な懲罰動議で終わった。政府はよくやったと思う。働き方改革、IR、いずれも時代を画する大事な法案が仕上がった国会だったと思う。しかし、国会議員は結局騒いでいるだけで、大阪北部地震、西日本の豪雨災害でも遊んでいた。猿芝居国会が来るところまで来た最悪の国会だったので、それを今回で最後にするべく、臨時国会あるいは来年に国会改革をやっていきたい」と訴えた。

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 無所属の小西洋之参議院議員は「安倍翼賛国会」と命名。「大きな戦争へと突き進んだ大政翼賛会。国会の中のあらゆる政党が戦争を支持するという恐ろしい時代があった。データのねつ造、文書の改ざん、隠ぺい、カジノ、6議席増の法案。これらは安倍政権だけの暴挙ではなくて、与党、そして維新も支持してしまっている。安倍政権、安倍総理がメチャクチャなことをしているのを数の力で支えている。そういう姿が完全に浮き彫りになった国会だと思う。民主主義そのものが損なわれてしまった。議院内閣制は多数決ではあるが、ルールは守らないといけない」と指摘していた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


▶次回『みのもんたのよるバズ!』は28日(土)夜9時から生放送

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