
(MAOは「DDT LIVE! マジ卍」でのエニウェアフォール戦で(対戦相手でもない)大社長をはね飛ばす大事件を起こしたことも。しかも2度目……)
DDT恒例のトーナメント「KING OF DDT」が、7月31日の新宿FACE大会からスタートする。32選手出場という大規模な闘いで、7.31新宿では1回戦16試合を一気に実施。8月26日、後楽園ホール大会での決勝戦を制した優勝者には、秋のビッグマッチ、両国国技館大会(10月21日)のメインイベントに出場する権利が与えられる。
両国大会のメインとは、すなわち団体の最高峰・KO-D無差別級選手権試合(現在の王者は入江茂弘)。このトーナメントは、DDTにおける“最強の挑戦者”を決めるものだと言える。
優勝候補の筆頭は前王者の竹下幸之介と思われたが、試合中の負傷により欠場が決定。現在のDDT戦線を考えると、大本命は不在という状況だ。1回戦のカードは、以下の16試合。
KUDOvs彰人
伊橋剛太vs石井慧介
マイク・ベイリーvs島谷常寛
勝俣瞬馬vsアレックス・エース
星誕期vs坂口征夫
飯野雄貴vs高尾蒼馬
大鷲透vs渡瀬瑞基
マッド・ポーリーvsHARASHIMA
高木三四郎vsMAO
赤井沙希vs高梨将弘
遠藤哲哉vsゴージャス松野
松永智充vs樋口和貞
岩崎孝樹vsアントーニオ本多
佐々木大輔vsジェイソン“ザ・ギフト”キンケイド
上野勇希vsタノムサク鳥羽
吉村直巳vs平田一喜
実績上位なのは初期からDDTを支えてきたHARASHIMA、KUDO。佐々木や坂口も王座返り咲きを狙いたい。テクニカルな試合運びに加えハードコアな攻撃もこなす佐々木、打撃とサブミッション主体の坂口と個性が強いだけに、ペースをつかむと怖い存在になりそうだ。
トップ戦線で充分すぎるほどの活躍を見せながら、まだKO-D無差別のベルトを巻いていないのが遠藤と樋口。きっかけ一つで大ブレイクしてもおかしくない力があり、彼らにとってこのトーナメントが持つ意味は大きい。
そして彼らよりも下の世代、若手ブランドであるDNAのレスラーたちの躍進も期待されるところ。とりわけMAOはベイリーとのコンビでKO-Dタッグ王者になったばかりと勢いに乗っている。

(自販機上からのダイブ、花火攻撃など思いついたら即実行の狂いっぷりがMAOの魅力として定着してきた)
しかも1回戦で闘うのは“大社長”高木である。高木とMAOは今や因縁の関係。新木場1st RINGでの場外乱闘で、MAOは社用車で2度にわたって高木を轢いているのだ。
この悪名高い「プロレス会場での交通事故」により、MAOの狂気性が注目されることに。もともと破天荒な空中殺法を武器にしてきたが、DDTでのし上がるためのプラスαを打ち出してきたと言っていいだろう。ベイリーとのタッグでは「キャプテン翼」の立花兄弟ばりの合体技・スカイラブハリケーンを繰り出してもいる。
今回の会場は屋内、ビルの7Fということで車の使用は不可能。それでもMAOは「歌舞伎町式エニウェアフォール(ビアガーデン特別仕様)」での闘いを要求。実際どんな試合形式なのかは一切不明だが、とにかくMAOが“DDTらしいレスラー”として成長を遂げているのは間違いない(大社長はウェポン=公認凶器を持ち込んでのエニウェアフォールを宣言)。
ここで“社長超え”を果たせば、シングルプレイヤーとしても大躍進、トーナメントの台風の目になってくるだろう。今年に入り、常に風景が変わり続けているDDT。その変化の象徴として、MAOへの期待は大きい。

(7.22後楽園大会でタッグ王座を獲得したMAO(左)。この勢いでシングルでも飛躍したい)
(C)DDTプロレスリング/宮木和佳子
なお、7.31新宿大会はAbemaTVで生中継される。
文・橋本宗洋
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