10月13日(土)公開の映画『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』の完成披露試写会舞台挨拶が、7月31日、MOVIX 京都にて行われた。

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 同作は、エッセイスト・森下典子が、約25年に渡って通い続けた茶道教室の日々を綴った⼤⼈気エッセイ『日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫刊)を、日本映画界屈指の実⼒派キャスト・スタッフで映画化。

 禅の⼼と茶の徳を伝える栄⻄禅師が開⼭した京都最古の禅寺である建仁寺での完成披露イベント(献茶式、記者会⾒)後、完成披露試写会舞台挨拶に⿊⽊華(典子役)、樹⽊希林(武田先⽣役)と、⼤森⽴嗣監督、原作者の森下典子が登壇。完成披露イベントの感想、作品への想いをそれぞれ語った。最後にサプライズゲストとして、本編の茶室に飾られている【日日是好日】の字を書いた中⻄凜々子(なかにし りりこ)さんが実際の“書”を持って登場した。

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 史上初“お茶”の映画として、京都での完成披露イベント実施となり、建仁寺で献茶式、記者会⾒を⾏ったことについて、⼤森監督が「みなさんと⼀緒に仕事ができたことを誇りに思っています」と感慨深げに振り返り、⿊⽊が「⼤学時代を過ごした京都で⾒ていただけて嬉しい」、樹⽊が「京都あっての映画」、森下が「盆と正月がきたような喜び」と述べた。⼤森監督は着物を着るのが初めてとのことで、「5センチくらい浮いているような感じです」と照れていた。

 今回、⿊⽊と樹⽊は初共演。⿊⽊は樹⽊について「かっこいいんです。⼈としても⼥優さんとしても。こういう⼈になりたいという⼈は今までいなかったんですが、初めてそう思いました」と話し、樹⽊は⿊⽊を「まだ28歳ですが、しなやかでとても強い。これから日本を背負って⽴つ役者だと思います」と⼤絶賛。さらに「本(台本)を読んだとき、この作品は主役によるな、と思ったんです」と⿊⽊あっての作品であることをアピールした。自身が演じたお茶の先⽣の役については「それはいやだなあと。習っている⼈ならごまかせるけど……。まあ、うーん、なんとかなるかと思ったらやっぱりならないもんですよ。ちょっと汗が出ました」と話して会場の笑いを誘った。

 典子を演じてお茶とかかわり、「四季折々の音とか、匂いとか、そういうものを感じるということをしていなかったことに気づきました」と振り返る⿊⽊。樹⽊は「時代劇でお茶を瞬間的に出すのはありますが、これだけ丁寧に、現代の若い⼥性がかかわっているのはめずらしいです。お茶のいろいろな流派の⽅が全部協⼒していただけているのというのはとてもありがたいこと。お礼を申し上げます」と感謝を述べた。

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 さらに特別ゲストとして、本編の茶室に飾られている【日日是好日】の字を書いた中⻄凜々子さんが実際の“書”の額縁とともに登場し、その経緯が樹⽊から語られた。その書を書いたときの々子さんは小学6年⽣。樹⽊は凜々子さんの“書”は”⾒るもの”と語り、推薦したという。⼤森監督は凛々子さんの書について「伸びやかに感じたんです。狭いお茶室にこういう字があるっていうことは、この映画にとっては、⼤事な気がしました。この字でいきましょうということにしました」と、茶室にその書を飾った理由を話し、凜々子さんがファンだという⿊⽊も「典子が初めて⾒る字ということで、すごくインパクトがあってお茶室がぐっと広がるような感じがしましたね」と称賛した。

 凜々子さん⾃⾝は「私にとって、映画で使われる書をかかせていただける貴重な体験。無駄にしないように書きました。いろんな“日”があるということを伝えたかったので、同じ“日”が3つ出てこないように工夫しました」と書にこめた想いを語った。また、凜々子さんは『日日是好日』の作文を書いたことがきっかけで、ジュニア京都観光⼤使に選ばれている。凛々子さんは「ワクワクして書かせていただいて、この映画も楽しみにしています」と笑顔でコメントした。

 最後に、監督と出演者がそれぞれ映画の⾒どころをアピールした。⼤森監督は「お茶室のなかの季節感もとりましたが、やはり、⿊⽊さん、希林さん、多部さんがお芝居しているところを楽しんでください」と話し、樹木は「いろいろと苦情があるかもしれませんが、⾔ってこないでくださいね(笑)」と笑いを誘った。そして、最後に黒木が「世の中にはすぐにわかるものと、わらかないものがある。森下さんの追体験をした気がします。みなさんにご覧いただいて、この映画を五感で感じていただけたら……」と話して締めくくった。

ストーリー

 とにかく私はお茶を習うことになった。⼆⼗歳の春だった。

 たちまち過ぎていく⼤学⽣活、⼆⼗歳の典子(⿊⽊華)は⾃分が「本当にやりたいこと」を⾒つけられずにいた。ある日、タダモノではないと噂の“武田のおばさん”(樹⽊希林)の正体が「お茶」の先⽣だったと聞かされる。そこで「お茶」を習ってはどうかと勧める⺟に気のない返事をしていた典子だが、その話を聞いてすっかり乗り気になったいとこの美智子(多部未華子)に誘われるまま、なんとなく茶道教室へ通い始めることに。そこで⼆⼈を待ち受けていたのは、今まで⾒たことも聞いたこともない、おかしな「決まりごと」だらけの世界だった――。

 それから⼆⼗四年。就職の挫折、失恋、⼤切な⼈との別れ。いつも側にはお茶があった。五感を使って、全⾝で、その瞬間を味わった。やがて「日日是好日」という⾔葉をかみしめていく美しき時の流れ。この映画は、内なる⾃由と⽣きる喜び、そして、かけがえのない“今”を描く物語である。

(C)2018「日日是好日」製作委員会

映画『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)公式サイト 2018年公開
映画『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)公式サイト 2018年公開
映画『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』の公式HPです。森下典子の人気エッセイ「日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-」の映画化。出演:黒木華、樹木希林、多部未華子、監督:大森立嗣。2018年全国公開予定。
映画『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)公式サイト 2018年公開
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