予想を超えるダイナミックなストーリー展開と映像表現、さらに容赦のない暴力描写で世界の映画ファンを魅了し続けている韓国サスペンス。AbemaTVで今月放送されるのは、そんな中でもよりすぐりの秀作ばかりだ。
クエンティン・タランティーノが絶賛『オールド・ボーイ』
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日本の同名マンガを原作とする『オールド・ボーイ』は、カンヌ国際映画祭で審査委員長だったクエンティン・タランティーノ監督に絶賛され、グランプリを受賞した衝撃作。妻と一人娘を愛する平凡な中年男オ・デスは、泥酔したある夜、彼は何者かによって、窓一つない部屋に監禁されてしまう。「誰が? 何のために?」発狂しそうな自分を抑え、いつか外へ出る日を信じて身体を鍛えるデス。15年という月日が流れ、突然、外の世界に放り出された彼は監禁を指示した張本人イ・ウジンと対峙することになる。監禁場所から開放されたオ・デスの強烈なビジュアル、電話をかけてきた男に「おまえは誰だ?」と聞くすごみのある声、寿司屋で生きたままのタコをまるごとむさぼり食う姿といったインパクトのあるシーンの連続で見るものの度肝を抜きながら、人間の愚かさや醜悪さをケレン味たっぷりに描き切っている。
“チャングム”女優、イ・ヨンエが復讐の鬼に『親切なクムジャさん』
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『親切なクムジャさん』は、『オールド・ボーイ』で世界的に注目されるようになったパク・チャヌク監督が、『宮廷女官 チャングムの誓い』でアジア中を魅了したイ・ヨンエを主役に迎えて完成させたある女性の復讐の物語。20歳の時に幼児誘拐殺害の罪で刑務所に収監されていたイ・クムジャが13年振りに出所。誘拐事件にはかかわったものの、殺人には無関係だった彼女は、自分を陥れたペク先生に対する周到な復讐計画を胸に秘めていた。服役中、模範囚であるだけでなく、弱い囚人たちを助ける“親切なクムジャさん”として知られた彼女は、先に出所していた仲間たちの助けを得て、ペク先生の監禁に成功する。イ・ヨンエが能面のように冷たい無表情から、それまでの自分をパロディ化したかのような天使の顔までを使い分けながら、複雑なヒロインを見事に演じている。
ポン・ジュノ監督が贈る衝撃のヒューマンドラマ『母なる証明』
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一方、『殺人の追憶』や『グエムル 漢江の怪物』といった作品で世界的に注目を集めるようになったポン・ジュノ監督が手がけた『母なる証明』は、「息子の冤罪を晴らすために奔走する母」が主人公。ある田舎の町で女子高生殺人事件が起き、純粋な心のまま成長して仕事にもついていない青年が容疑者として捕まったことをきっかけに、彼の無罪を信じる母がたった1人で犯人探しを始める。60年代から活躍し、韓国を代表する“お母さん”女優であり続けているキム・ヘジャが“母”や“人間”の中にひそむ生々しい一面を表現。さらに、ドラマ『秋の童話』のウォンビンが大人の身体を持て余しているような純粋無垢な田舎の青年になりきっている。
世界中を驚かせた『チェイサー』ナ・ホンジン監督の第2作目『哀しき獣』
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デビュー作『チェイサー』で世界中を驚かしたナ・ホンジン監督の第2作となる『哀しき獣』では、前作で凶悪な殺人鬼と彼を追う男に扮したハ・ジョンウとキム・ユンソクが逃走能力と戦闘能力をパワーアップして再登場し、韓国内を駆け巡る。中国の東北部にある延辺朝鮮族自治州・延吉出身のタクシー運転手のグナムは出稼ぎに行ったまま連絡のない妻を探すため韓国へ。請負殺人のブローカー、ミョンから「韓国である人を殺せば借金を帳消しにする」という取引が持ちかけられ、大学教授スンヒョンの自宅に向かうが、一足先に何者かによって彼は殺されてしまう。殺人犯と誤解された後、人間離れした能力で警察の捜査を避けて逃げ続けるグナムと彼を“捕獲”するため中国からやってきたミンとの想像を超える対決に目が釘付けになる。
サンデーナイトシネマ番組情報
『オールド・ボーイ』[R15+]8月5日(日) 20:30 ~ 22:33
『親切なクムジャさん』[字][R15+] 8月12日(日) 20:30 ~ 22:33
『母なる証明』[R15+] 8月19日(日) 20:30 ~ 22:45
『哀しき獣』[字][R15+] 8月26日(日) 20:30 ~23:00