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『SUMMER BOMB』(以下サマボム)の季節が今年も到来。2014年に始まって以来、夏に恒例となったヒップホップ・フェス=サマボムが今年も8月18日(土)に帰ってくる。東京新木場・STUDIO COASTで初開催となる今回は、〈ダンスエリア〉、〈ダンジョンステージ〉、〈アートエリア〉からなる3つのエリアを用意。例年通りのライブのみならず、ダンスバトルやMCバトルなども含む多彩なコンテンツに加え、開場/開演も12時からと、まさに一日楽しめる内容となりそう。
さらに、当日のライブの模様はAbemaTVで生放送されることも決定しているので、そちらも楽しんでほしい。その開催を前に、ここではフェスのオーガナイズを務めたZeebraに話を聞く。前編となる今回はイベントの概要について話してもらった。
――開催も今年で5回目となりますが、イベントとして今の状況はどうですか?
Zeebra:今年もおかげさまでアーティスト発表の前の段階で超先行チケットが動き始めたりしたんで、そういう意味ではブランドになってきてくれたなーとすごい感じてる。
まだまだまだまだですけど、「今年のサマソニどうなんの?」とか「フジロックどうなの?」みたいなことのすっげえ小っちゃい感じのとこにはなってるのかな(笑)。
――今回はラインアップもフレッシュなメンツがずらりと並びましたね。
Zeebra:どうしてもこれまでの日本の現状は年功序列というか、上から順番にみたいなものが凄い存在してたけど、日本のヒップホップが盛り上がって20年、30年経ってきてる中で今でもまだそれかってわけにもいかないんじゃないかなってすごく思っていて。どんどん新しい世代が台頭してるわけじゃん。それこそT-PABLOWとかYZERRにしても我々が作ったステージの上に乗っかってる感じのところから始まったかもしれないけど、BAD HOPに関しては自分達だけで全部回してるわけで、ホントいい意味で俺らの次の次の世代に交代して行ってる感じを去年、今年ぐらいからすごく感じてるし。
「(フリースタイル)ダンジョン」が盛り上がったこともあって、それまでとは違う層にも受ける環境も出来たし、そういうところをものすごく意識して、今誰がイケてるかとか、今誰のライブが観たいかってことを一番中心にするべきだなって。
――今回は、また初出演の地方勢も多いっていう。
Zeebra:今年は、初がマジ多いよね。今のところTwitter程度の話なんだけど、9割方「今年なにこれ、すげえ」っつってて、残りの1割ぐらいが「誰この人達」っていう反応かな。まあベテラン勢がだいぶ少ないっていう状況がなぜかというと、ベテラン勢のリリースがないっていうことが一番の大きな理由で。例えば漢とか般若とかKENTHE390とか、その辺がラインナップされてるのは彼らがちゃんとリリースしててアルバム出したばっかりだから誘ってるのが大きくて。
サマボムは始めっから3年で2回しか出れないっていうルールを設けていて、2年連続出たら1年お休みっていう。だから、RHYMESTERなんかも今年はお休みしてもらってて。あと今回は現行ヒップホップの空気を持ってる子達が多くて、USで言ったらトップチャートに普通に入ってくるような音楽もやってるから、よりフェスっぽいステージングが向いてるんじゃないかなって気がしてる。
だから例えば、この中だとJin DoggとかkZmとかその辺のライブなんて今モッシュじゃない。それも新しいヒップホップの楽しみ方だと思うし、おっきなステージでこそさらに良さが出る気がするので、その辺を意識したラインアップであることは間違いないかな。
――さらに今回は、〈ダンスエリア〉や〈ダンジョンステージ〉、〈アートエリア〉を設けるなど、STUDIO COASTならではのフェス構成となるそうで。
Zeebra:OZRO(SAURUS)がバンドになりますって時に、一回ハードコアとパンクのフェスみたいのがSTUDIO COASTであって、なんかいいバンドメンバーいねえかっつって、ナンパしに行ったの、俺とかMACCHOとかその辺で。
そん時にすごいねって思ったのが、今回のサマボム以上にもっといっぱいステージがあったりして完全なフェスだったのね、それこそ外タレまで出て来てたし。それであー、COASTでも出来るんだねえって。サマボムもサブステージを作りたいって話は今までもあったんだよね、必ずしもデカいステージよりもちょっとアンダーグラウンドな雰囲気があるからこそカッコいいアーティストもいるはずだって考えると。
あと、今まではどちらかというと夕方から夜までのイベントだったところを、昼間っから一日遊べるものにしたいなっていうのがあってこうなった感じかな。
――ヒップホップのカルチャー的な広がりを見せるという意味では、昨年まで開催されていた『B-BOY PARK』のメンタリティを受け継ぐものでもありますよね。
Zeebra:うん。ヒップホップがなぜヒップホップと呼ばれているのかとか、ラップだけでヒップホップじゃないっていうことは俺が残していきたい部分で。よく一般の人達に「ラップとヒップホップの違いがわかりません」って言われた時に、そこで俺らはいつもヒップホップは文化で、ラップはその中の一つなんだよって説明してきたから、ずーっとそれは存在してほしいし、特にやっぱりダンスの人とラップのシーンはクラブシーンっていうところで考えたら一つであるべきと思っていて。
はっきり言ってラッパー君とかラッパーが好きなファンの子達よりもダンサーの子達の方がカッコや雰囲気がしゃれてたりするので、そういう全部が一つになって初めてヒップホップとして成立する気がするし、ダンサーがこんだけ多いってのは、日本はホントに特殊だと思うから。習いものの一つとしてダンスが全然成立してるし学校でまで教わっちゃうって意味でもここにものすごく大きなポテンシャルがあるし、常に地続きでいたいなって気持ちはあるから、『B-BOY PARK』がなくなってしまった今、その役割を多少担えるものにしたいなあっていうのが一番ですね。
――その中には、「フリースタイルダンジョン」の出場権をかけたMCバトル『Road To Dungeon』の開催もあったり。
Zeebra:今までってこっちから全部、「チャレンジャーで出てみない?」ってオファーするシステムだったんだけども、今回は初の公募をしてみようっていう。「ダンジョン出してください」みたいなリプは、Twitterで俺んとこにも定期的に来たりするし、あそこに出て多少なりとも功績を残せれば、ものすごいプロモーションになることは間違いないから、そこに夢を感じてトライしてくれるんだったら熱いことになるんじゃないかなと思っていて。ここのステージではDOTAMAのバトル解説とかライブもあるんだけど、DOTAMAはKEN THE 390やERONEに匹敵する、下手したらそれ以上のレベルでロジカルに説明してくれるんで、それも面白いんじゃないかな。
――ともあれ、コンテンツがぐっとボリュームアップした今回の開催に向けて意気込みなど聞かせてもらえれば。
Zeebra:まあ今年やってみて様子見っていうのが正直あるんだけども、メインステージの方もガラっと変えたから、そういう意味では今年はギャンブル。常に何が起きるかわからないというか、行ってみないとわからないみたいなワクワク感はあるイベントにしたい。今までも例えば開催の10日ぐらい前にいきなり般若とコッちゃん(K DUB SHINE)、RHYMESTERがモメだしたりとか(笑)、ああいうのはああいうのでやっぱすげえワクワクさせられたわけで。そういうのが今年あんのかわかんないけど、とにかく体感したいなーと思わせるものにしたいなあっていうのがすごく強いよね。
――今回はさらに、フェスの模様がAbemaTVで生放送されることも決まってます。
Zeebra:まずは現場に来てほしいんだけど、来れる人ばっかじゃないから。それこそ地方でもサマボムやってくださいって話もあるんだけど、中々それも難しいし、親がついてこないと来れないような若い子達でそれが無理な子にも生放送を見てほしいって感じかな。
――開催前に気が早いですが、来年以降に向けても一言もらえますか?
Zeebra:もしかしたらこの1年の間でベテラン勢のリリースラッシュが来る可能性だってあるわけだし、そこでまた誰かしらがやっぱいいねーってなって注目されたらそれはそれで是非出てほしいね。この中のイケてる若い子達も何かで失速することもあるかもしれないし。だからホント来年は来年になってみないとわかんない。
――Zeebraさんもリリースを目指して、いよいよアルバム制作に向かうとも聞きましたし、次はライブの方に出演ってことも……?
Zeebra:そうなんですよ(笑)。おかげさまで最近、Qのソロの『衝撃feat. Zeebra』のMVがアップされたら、ことごとく評判がよくて「見たか」と思ってんですけど。この4年ぐらいホント外側というか裏側に専念して、いろんなことをやってきたけど、だいぶ形になったかなあと自分で思っていて。それこそ風営法の改正もあったし、今でも議論が続いてる状態までやれてるんで。だからもう一回プレイヤーとしてもやってみようかなーって感じ(笑)。
【イベント情報】
タイトル SUMMER BOMB 2018 Organized by Zeebra
開催日程 8月18日(土)開場/開演 12:00
開催場所 東京都江東区・新木場 Studio Coast
公式サイト https://summerbomb.amebaownd.com
▼MAIN STAGE
・Awich
・漢 a.k.a. GAMI
・Cz TIGER
・SOCKS
・JAGGLA
・t-Ace
・BAD HOP
・KEN THE 390
・Weny Dacillo
・Pablo Blasta
・SALU
・JP THE WAVY
・JIN DOGG
・kZm
・般若
・唾奇
・Young Coco
・Yo-Sea
& More!!
▼MC
・Zeebra
・LETY from ex.Def Will
▼DANCE AREA
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ダンスバトル
“BREAKIN CREW BATTLE“
[JUDGE] BBOY KATSU1 / FLASH / Original B-BOY CHINO [DJ] MAR SKI [MC] 105
“HIPHOP DANCE BATTLE”
[JUDGE] PInO / STEZO / Yusei [DJ] OBA [MC] HORIE HARUKI
▼DUNGEON STAGE
・Road To Dungeon:テレビ朝日「フリースタイルダンジョン」への出場権をかけたMCバトル
・バトル解説:DOTAMA / MIRI from RHYMEBERY(アシスタント)
・GUEST LIVE:DOTAMA / D.D.S / TK da 黒ぶち / 黄猿
▼ART AREA
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