トム・クルーズがスタントなしで挑むアクションが毎回注目を集め、全世界累計興行収入3000億円以上の大ヒットアクション映画『ミッション:インポッシブル』シリーズ。8月3日公開の最新作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』では、シリーズで初めて日本語吹き替えにゲスト声優を起用した。
トム・クルーズが演じる伝説的スパイ“イーサン・ハント”のライバルであり敏腕CIAエージェント“オーガスト・ウォーカー”は、ロックミュージシャンのDAIGO。イーサンを翻弄する闇の組織を操る謎の美女“ホワイト・ウィドウ”は、女優の広瀬アリスが吹き替えを務める。吹き替えでの裏話や周囲の反応について、DAIGOに話を聞いた。
自分史上一番低い声にこだわり、なりきった!
――シリーズ6作目で初めて、吹き替えにゲスト声優を起用ということでプレッシャーも大きいと思いますが、オファーがあったときの感想をお聞かせください。
DAIGO:本当に僕でいいの?というのがまず率直な気持ちでしたね。このシリーズはもちろん僕も大好きで観ていましたし、とても光栄なこと。断るという選択肢はなかったのですが、不可能を可能にすべく、僕も頑張っていきたいなと思い、取り組ませていただきました。
――配給側はDAIGOさんの起用について「演技力はもちろんのこと、持ち前の前向きさと明るさから来る国民的な好感度で、トムの好敵手として素晴らしい化学反応を見せてくれると確信した」と話しています。アフレコの映像を拝見させていただくと、ワイルドなオーガスト・ウォーカーの声が本当にぴったりとはまっていました!声がとても低かったのですが、どのように役作りをしたのですか?
DAIGO:オーガスト・ウォーカーはがたいもいいし、髭を生やしたワイルドなルックス。本編を観させてもらうと声も低めで、クールな役柄でした。人間の音域というのは上は訓練をするとちょっと上がるんですけど、下は決まっていて、限界があるんです。アフレコでは、自分の中で出せる限界の一番低い声で演じることにこだわりました。ちょっとでも上がっちゃうとやっぱり変わってきちゃうので。
――喉に負担がかかりそうです。
DAIGO:そうですね、僕は数日かけてやらせてもらいました。
――アクションシーンは、声の出し方や息遣いも難しいと思うのですが、いかがでしたか?
DAIGO:そこはもしかしたらロックやっていた甲斐があってといいますか、いい部分が出せたかなと思いました。普通のセリフの部分は本当に難しかったんですけど。「ハ!」とかはシャウトに近い感じで、声の出し方も含めて、腹から「ウー!」と声を出してやられている感じを出したりしながら。実際に動いて表現しながらやりましたね。
――興奮しながら?
DAIGO:そうですね、興奮しながらやっていましたので、帰り道ではちょっと気が大きくなっちゃって。もしその日にからまれたりしていたら、勘違いしちゃって立ち向かっていてやられるとか、危ないことになっていたかもしれないです(笑)。ウォーカーも、イーサンに勝るとも劣らない身体能力の持ち主。それぐらい自分も強いんだ。髭が生えているんだと言い聞かせながらやりました(笑)。
――広瀬アリスさんも吹き替えに起用されていますが、吹き替えの映像を見られて、いかがでしたか?
DAIGO:キャラクターに合っていて、普段お芝居をされている女優さんなので、すごいなと思いました。ご自身謙虚な方なので難しかったと言っていますが、でも本当にキャラクターになりきって素敵な表現をされていたなと思いました。
自分の限界を引き上げてくれた
――作品の魅力はどんなところだと思いますか?
DAIGO:やっぱりトム・クルーズ演じるイーサンがミッションを解決していくというところですね。毎回、トムが命がけのアクションに挑んでいて、今作でもビルから向かいのビルへ大ジャンプするときに骨を折りながらも撮影をやり通したり、ヘリコプターの2000時間もの訓練を経て、スパイラル飛行を成し遂げたり。尋常じゃない部分がありますよね。トムのすごさって、どんなピンチにおちいっても最終的にはやり遂げてくれるヒーロー的なものがあるんです。
――影響を受けた部分もあるのでしょうか?
DAIGO:僕自身もすごく影響を受けていて、人生でいろいろ大変なことがある中で、トムのメイキングとかを見ていると、「俺って全然大変じゃないな」って思えるんです。朝まで映画の撮影があったとしても、眠いとか言っている場合じゃないなとか(笑)。すごくパワーをくれています。自分の人生の中での限界を引き上げてくれる。チャレンジすることの大切さを教えていただける作品でもあります。
――イーサンがこれまでに挑んだミッションが今作につながっているということですが、DAIGOさんも、これまでのいろいろな経験があって今作につながっていると思います。ご自分で思うところはありますか?
DAIGO:10年前にも洋画の吹き替えを一度やらせていただいたことがあるのですが、その経験もそうですし、バラエティ番組へも出演して10年。ミュージシャンとしても知ってもらえるようになって武道館でライブをしたり、24時間走ったり。結婚をしたり。
これまでいろんな経験を積んできたことの一つ一つが重なって、今の40歳まで仕事を続けてこられたと思っています。だから、10年前には、「もう一度いいですか?」と監督に言えなかった部分はありましたけど、今回、より良いものにするために、相談しながら、「今のところもう一度やってもいいですか」と言えるようになった。ひとつの例ですが、自分の中で経験があったからこそだと思います。感謝しかないし、自信につながっている部分です。
DAI語でいうと「ZT」です!
――公開してからの声も、楽しみですね。
DAIGO:正式に言うとまだプレッシャーは感じ続けていて、責任を感じています。世界で大人気の作品で、日本にもファンの方がたくさんいる。常に全力投球なんですけど、改めて、役柄を意識、イメージしながらしっかり任務をまっとうしたいと思いながらやりました。プレッシャーみたいなものはもしかしたら自分の人生が終わるまで感じ続けるかもしれない。あとはもう観ていただいた方に、気にならなかったなと言ってもらえるのが一番いいかなと思っています。
――DAIGOさんの略語、DAI語でいうと何でしょう?
DAIGO:「ZT」ですね。全力は尽くしました!
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』ストーリー
何者かに複数のプルトニウムが盗まれた。イーサン・ハントとIMFチームは、その“同時核爆発を未然に防ぐミッション”を受ける。だが手がかりは薄く、“名前しか分からない正体不明の敵”を追う中でのミッション遂行は困難を強いられた。タイムリミットが刻一刻と迫る中、IMFに立ちはだかるのは、イーサン・ハントを疑うCIAが送り込んだ敏腕エージェントのウォーカーで、イーサンは彼との対決を余儀なくされる。そして、いくつもの<フォールアウト(予期せぬ余波)>が絶体絶命のイーサン・ハントに降りかかる。今度のミッションの不可能は一つではなく、連鎖したたみかけるようにIMFに迫る!
映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』8月3日(金)より全国ロードショー
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