選手ら関係者333人の告発に猛反論を開始した、日本ボクシング連盟トップの山根明会長。リオ五輪代表に選ばれた成松大介選手に交付された助成金240万円を他の選手と3等分するように指示したこと、「奈良判定」と呼ばれる審判不正の強要などの疑惑が持たれている。
今回JOCなどに告発状を提出した「日本ボクシングを再興する会」代表で、元日本ボクシング連盟理事の鶴木良夫氏が4日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演、実態を激白した。
まず、鶴木氏は「奈良判定」や過剰接待について、あくまでも周囲の忖度によるものだと話す。「意にそぐわない者には"明日から来るな"と言ったり、外して片隅に追いやったり。問題は、山根会長が指示してないのに、審判が意に沿うような判定をしているということ。それがすべての根源だと思う」と証言。
「会長に怒られるシーンを見せられていくうちに、"あんな目には遭いたくない"とハマっていく。"青が勝ったな"と思っても、怖くて赤の方に手が行ってしまうらしい。今まで同僚が何人も呼ばれなくなり、私はかろうじて生き残った。私は辞表を提出したが、付いてきてくれたのは一人だけだった。今回、集まった指導者たちには奈良を含め、関西の人がほとんどはいっていないが、参加したかった人はもっといたと思う。退任要求を出しても、"もっと証拠を出せ"とか"内紛には加わりたくない""静観している"として、出さない県が半分くらいあった。上部団体にはボクシングのイメージを落とさないために一生懸命に相談に行っている。日本ボクシング連盟が加盟しているJOC(日本オリンピック委員会)、JSPO(日本スポーツ協会)にも何度もお願いをしてきたが、なかなか進展しない。野放しになっていたのを見逃してきた責任があるので、なかなか公表してくれない。言っていいのかどうか分からないが、私たちの行動は全て日本ボクシング連盟にバレていた。そのため私たちは公表に踏み切った」と明かした。
オリンピック・パラリンピック推進に取り組んできた川松真一朗都議は「私たちは山根会長に期待していた面がある。というのも、2016年リオ大会でボクシング競技に不可解な判定があり、さらに会長代行になった人が犯罪組織と繋がっているとの指摘も出ている。こうした問題が正常化されないと2020年の東京大会でボクシングが競技から外されてしまう可能性もある。山根会長には日本のボクシング界の代表として、世界とのパイプ役になってほしいという中でこの問題が出てきた」と話した。
今後について鶴木氏は「ボクシングは国体の実施競技の総合評価で8年前は23位、4年前は32位、そして今回は39位の薙刀、40位の銃剣道にも負けて41位に落ち、開催が隔年になってしまった。内部がいかに崩れているかがバレてしまっている。本当はマスコミにも知られたくない。ボクシングのイメージが落ちるだけだから。333人の他に賛同してくれている人がいっぱいいて、賛同してくれた人から証拠が寄せられている、水曜日(8日)に記者会見をする」とした。
今後も会長を続けるかどうか尋ねられた山根会長は「いや、退く時はちゃんと退く。これが男のけじめね。これが山根明のけじめなんだよ」と答えている。果たして、ボクシング界の今後はー。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)