100回目を迎えた高校野球・夏の甲子園大会。高校時代がもう遠い記憶になってしまっても、地方予選が始まるとふと自分の出身高校が気になってしまったり、印象に残っているあのスター選手や名勝負を思い出し、改めて自分の年齢に向き合ったり。少し感傷的な気持ちにもさせてくれる、それが夏の甲子園だ。
 なぜ甲子園は人々を熱狂させるのか。1つ目の仮説は「甲子園="県民ショー"説」だ。プロ野球とは違い、都道府県の代表同士の戦いには郷土愛が加わるというものだ。野球の場合、それが他のスポーツに比べても強いようで、元高校球児で地方の練習試合まで観戦するという芸人・いけだてつやは「敗れた学校が、勝った学校に自分たちの千羽鶴を渡し、想いを託していく場合もある。人と人とのつながりが薄れている時代に、ちょっと古臭い文化かもしれないが、自分たちの代表校が今から全国ネットで戦ってくると考えるとワクワクして、地元を好きになる部分もあるのでは」と話す。