8月5日、パンクラスの新木場スタジオコースト大会のメインでは、女子ストロー級の王座決定戦が行なわれた。
対戦したのはブラジルのヴィヴィアニ・アロージョと藤野恵実。アロージョは昨年、パンクラス初参戦で三浦彩佳に圧勝。藤野はキャリア15年目のベテランで、これまで数多くの強豪と対戦してきた。
国内、海外、リング、ケージ問わず女子の最前線で闘い続けてきた藤野がベルトを巻くことができるか。「ババアなめんな!」のアピールがハッシュタグ化するなど盛り上がりを見せることにもなり、藤野はキャリア最大の注目を浴びたと言える。
しかし、待ち受けていたのは残酷な結末だった。序盤、距離を詰めてパンチを打っていった藤野だが、リーチで上回るアロージョは構えをスイッチしながら遠い間合いからパンチを伸ばす。
試合が進むと藤野の動きを見切ったか、カウンターでヒザを突き上げてクリーンヒット。さらに藤野が前進してきたところにタックルを合わせ、テイクダウンしてマウントポジションからのパウンドを連打していく。
藤野は左目の周りが無残に腫れてしまい、2ラウンドに2度のドクターチェック。真っ向勝負をするタイプだけに、解説の大沢ケンジ氏が「これは想定内」というダメージだったが、そこから挽回することはできず。3R早々、3度目のチェックでストップ。強烈な打撃に加え試合運びの冷静さも見せたアロージョがチャンピオンとなった。
またセミファイナルでは女子アトム級の試合が行なわれ、タイのローマ・ルックブンミーが華DATEに勝利している。こちらも打撃が目立った試合で、ローマはMMA2戦目ながらムエタイで200戦ものキャリアを持ち、多くのタイトルを獲得している。
試合は、そんなローマのムエタイテクニックが炸裂。ローキックから始まり首相撲からのヒザ蹴り、そこからテイクダウンしてマウントポジションからヒジを叩き込んでいく。ムエタイをMMAにアジャストさせた、見事な闘いぶりだった。
左目の上を切ってしまった華に、ローマはなおも打撃を落とし、レフェリーストップで勝利。凄まじいポテンシャルを見せつけた。
セミ、メインと女子戦線を外国人選手が席巻する形となった8.5パンクラス。世界の闘いと直結しているからこその厳しさも、この舞台の魅力だ。