女子プロレス界のトップ選手、紫雷イオが所属団体スターダムを離れ、WWEとの契約を発表した。世界最大のプロレス団体でどんな活躍を見せるのか、イオにかかる期待は大きい。
音楽界屈指のプロレスマニアであるラッパー・サイプレス上野(サイプレス上野とロベルト吉野)は、スターダム退団直前のイオの試合を観戦。あらためてその魅力について語ってもらった。

(6.10新木場大会。試合を終えた紫雷イオとの2ショット)
(聞き手・橋本宗洋)
——上野さんにはスターダムの6.10新木場1st RING大会を観戦してもらいました。
上野 これはAbema格闘TIMESの企画抜きでも、個人的に見たかったんですよ。スターダム所属としてのラス前の大会で。ラストの後楽園ホールはライブがかぶっちゃったんで、ここしかないなって。
——やっぱり見ておきたいですよね。
上野 そうですよね。最後……ではないんですけど、日本で闘う姿っていうのを見ておかないとっていう。これは「プロレス者」としては見逃せないですよ。世界に行く直前の試合ですからね。
——「今しかない」じゃないですけど。
上野 ぶっちゃけ今、いい選手がどんどんアメリカに行くっていう状況があるわけじゃないですか。今まで普通に見られてたものが見れなくなっちゃう。そういう意味でも、見られるうちに見ておきたいっていうね。
——ましてイオ選手は日本を代表する女子プロレスラーですし。いずれ海外への移籍もあるかなという感じはしてましたよね。
上野 俺もずっと見てましたね。会場ではそこまでじゃないですけど、雑誌とか映像はチェックしてたし、デビュー当時から注目してたんですよ。出身が独特なところも含めて。
——あ、そういえばそうですよね。
上野 デビューが「MAKEHEN」ですからね。出が俺の大好きなどインディーなんで(笑)。
——そこからWWEって、考えたら凄いですよね。
上野 お姉さんの(紫雷)美央選手と、姉妹で注目してましたね。それぞれ個性があって、途中から道が分かれたんだけど、どっちも自分のやり方で出世していって。凄いドラマ性あるなって。
——美央選手も4団体同時所属で注目されたり、大活躍でした。
上野 お姉さんのほうもプロレス頭が凄くて、どんどん伸びていったじゃないですか。で、イオ選手は身体能力とか地力でトップに行った感じがしますね。ストレートなエースっていうか、華やかさと激しさ、両方持ってる選手で。
——アイドル性もあるし、90年代の対抗戦時代的なエグさもあって。
上野 そうそう、間違いない。女子プロらしさ満載ですよね。井上貴子とキューティー鈴木をミックスして、その上でブル中野的なファイトができるっていう。やらないでほしいんだけど「この人、金網の上からでも飛んじゃうな」っていう印象があるんですよね。電流爆破もやったじゃないですか、賛否両論ありながら。
——アメリカでも、そのまま持ち味を出してくれればそれでいいのかなと。
上野 そのままで全然いいですよね。現時点で充分凄いんで。いつも日本でやってた動きを見せてくれたら、世界が驚きますよ。今もうアメリカにはASUKA選手がいて、カイリ(・セイン)選手もいて、そこにイオ選手も入っていくわけじゃないですか。これどんなことになっちゃうんだろって(笑)。
——今WWEは女子に力入れてますしね。力がある選手はどんどん輝けるのかなと。
上野 その上で、日本大会で逆上陸っていうのも楽しみですよね。イオ選手が持ってる能力とかスケールからしたら、舞台が大きければ大きいほど映えると思うんですよ。
——女子プロレスファン以外の目に触れるのもいいことですよね。
上野 やっぱり新木場とか後楽園に収まる選手じゃないですよね。これライブも一緒なんですけど、小さいライブハウスも大箱もどっちも魅力があって。だから今までイオ選手を新木場、後楽園で見られてたのって凄い贅沢かもしれないですよね。




