![もはやカルト!?トランプ大統領が世界を救うと信じ“Q”を掲げる人々](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/b/2/724w/img_b2da4741565a0e5ca5b400fe366e3374231001.jpg)
トランプ大統領はイランの核開発を大きく制限する核合意からの離脱に伴い、解除していた制裁の一部を7日から再開する大統領令に署名した。大統領令では、各国の企業に自動車や鉄鋼製品などの分野でイランとの取引を禁じ、違反した企業や金融機関はアメリカの市場から閉め出される可能性があるとした。
また、イランの弾道ミサイル開発などの資金源を断つため、日本など各国に11日までにイランからの原油輸入を停止するよう要請。米政府高官は「目標はイランの原油の輸入をゼロにすることだ」と述べている。
一方、イランのロウハニ大統領は6日、国営テレビのインタビューで「アメリカは信用できない。トランプ大統領からの直接対話の呼びかけは、イラン国内の分断を狙ったもの」と厳しく批判。
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また、欧州連合(EU)のモゲリーニ上級代表とイギリス、フランス、ドイツの外相も6日、共同声明で「深い遺憾の意」を表明。イランに進出している欧州企業の保護のため制裁に従うことを禁じ、制裁で損害を受けた場合は訴訟を起こせる措置を発動すると発表した。
各国から非難される経済制裁を再開するトランプ大統領の狙いはどこにあるのか?テレビ朝日元アメリカ総局長の名村晃一氏は、「オバマ前大統領とは違うことをやるというのがトランプ大統領のひとつの特色。イランが核開発を止めているのは査察でも明らかになっていること。経済制裁の再開に合理性は全くなくて、オバマ時代にやったことを全部ひっくり返すというのが目的」との見方を示す。
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そうしたトランプ大統領の方針には共和党内からも異論があがっているというが、それでも「どんなに合理的ではない話でも自分のペースに持っていけば票を取れる、人気が出てくることをトランプ大統領は実感している」と名村氏は指摘。それを表す“ある動き”があるという。
「トランプ大統領は当選してからも支持集会をよく開いているが、そこに『Q』『WE ARE Q』といったメッセージを掲げる人が異様に増えた。このQというのは、去年からアメリカの掲示板サイトに登場した人物のことで、いろいろな陰謀説をバンバン書いている。Qは『地下で支配している人たちが歴代大統領を動かしてこのような社会ができた』という趣旨の展開をし、トランプ支持者はその陰謀説を支持して『その社会を打破するのはトランプ大統領しかいない』ということでQを掲げる。中には、トランプ大統領がQだと信じている人もいる」
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Qの書き込みには支離滅裂な内容もあるというが、名村氏は「カルト的な広がりを見せて集会にも現れるようになり、通常の共和党員が参加してもついていけないほど。トランプ大統領の発言が人種差別だと批判されているが、白人至上主義の人たちが意見を言いやすいような雰囲気を醸している」と指摘。「人種間の対立を煽ることで保守派の票を引っ張ってくる、というトランプ大統領のやり方に表面上は見えるが、ひとつの事実ではなくて流れとしての動きになっている」ことを懸念した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)