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 "ハイスペック男子"を奪い合う戦いは、「バチェラー・ジャパン」のようなネット番組の世界だけではない。7日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、そんな今どきのハイスペック婚活事情を探った。

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 まず訪れたのは、銀座で開催されていた婚活パーティーだ。参加者は男性73人に対して女性89人。医師や会計士、上場企業勤務、そして年収は700万円以上など、男性には参加条件が課せられている。女性たちからは「すごくお金を持っていて、ちょっとでもタイプだったら絶対結婚する」「私の収入が安定しないので、2人で余裕を持って、子どもも、となると(年収)800万円以上くらいは欲しいかな」などと意気込む。

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 次に訪れたのは、レインボーブリッジを眼下に見下ろす港区のタワーマンションで開催されていた"タワマンパーティー"。家主はIT企業を経営するショウヘイさん(25)。「(年収は)1億いっていないくらいな感じ」、左腕付けたロレックスの腕時計は「200(万円)ちょっとくらい」。

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 パーティーに参加できるのは、"美人しか入れないグループ"という名のLINEグループに招待された女性のみだという。招待文には「明日は○○商事と××商事などの商社マンが来ます。素敵な夜を楽しみましょう!」などと書かれていた。

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■週8でデート、その内容をTwitterに投稿する女子大生

 不特定多数の"ハイスペ男子"に出会うためにマッチングアプリを活用する女性も増えているようだ。10種類のアプリを使い分け、1年で100人以上の男性と会ってきたと話すのは、都内の有名私大に通う、ペ子さん(21)だ。

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 「20代で年収800万円、30代で年収1000万円がもう最低ラインというか。それくらいでないと会わないです。週8でデートしてた時期もあります。会ってる途中につまらないと思ったら、相手がトイレに行っている隙にマッチングアプリを開いて、(他の男性に)"会えますか?"みたいなメッセージを送って"当日召喚"していました(笑)」。

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 同時並行で何人もの男性と会うため、Twitterを備忘録代わりに使ってきた。アカウントを見せてもらうと、「東大卒、商社、28歳、星5、Pairs、青山の和食屋からタクシーで麻布のバー。王道デートはさすが商社マン。モテを匂わせ独占欲を煽るペ子に『他の男にとられたくないから付き合って』『次までに返事して』と非モテコミット。9時台に帰してくれるので初回アポなのに唇を許してしまった」などのTweetが並んでいた。

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 そんな彼女がアプリで使っているテクニックの一端を教えてもらった。「1番上の写真は1番盛れてるものにして、他の写真は現実の顔に近い写真を使っています。会った時にガッカリされると困るので。浴衣はめちゃくちゃ男ウケがいい!"いいね"がもらいやすいんです。男性のプロフィールを見ると足跡が残るので、いかにもモテなさそうなおじさんに足跡を付けまくって"いいね"数を稼いで、自分がランキングの上位に行くように仕向けました。上位にいくと目を引くし、こんなに"いいね"数が多い女から足跡が付いてるって、さらにみんなが"いいね"してくれる。"いいね"スパイラル(笑)」。

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 そこまでしてハイスペ男子にこだわる理由は何なのだろうか。ぺ子さんは「大学3年生の夏に、就活していた彼が"もう会えない"みたいな感じで音信不通になっちゃった。その彼が就職したいと思っていたゴールドマン・サックスの男と会って、見返してやろうと思って始めた」と明かした。

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 現在ペ子さんが付き合っているのは、28歳で年収約1000万円の弁護士だという。2か月前にグルメ誌『東京カレンダー』が運営するマッチングアプリ「東カレデート」で出会った。このサービスの登録には厳しい審査が設けられてい、45%の人が年収1000万円以上。番組では慶大卒の番組ディレクター2名が登録を試みたものの、プロフィール写真や年収で引っかかってしまった。

■「マッチングアプリで戦略的に第2のオンナに甘んじろ」

 マッチングアプリに関する情報を提供している「マッチアップ」の伊藤早紀編集長は「ハイスペ男子は社内恋愛がしたくないとか、飲みに誘った部下とホテルに行ってスクショを回されたくない、みたいな傾向がある。だからマッチングアプリを使って、別のコミュニティの女性を探す。ハイスペ男子の人口は2%と言われているが、マッチングアプリに登録している人は結構多く"1000万円以上、25~35歳、都内住み"という条件で絞っても1500人くらい出てくるので、女性がリーチしやすくなった」と話す。

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 自身も100人以上の男性と会ってきたという伊藤編集長流の"ハイスペ男子と出会えるためのコツ"は、「戦略的第2のオンナ」というものだ。「今まで遊んできたハイスペ男子だけでなく、勉強ばかりで男子校出身で理系学部出身で、社会人になっても仕事一筋で…という、年収は高いが非モテのハイスペ男子がいる。30歳を超えていて中身も磨かれておらず、外見もイマイチだと思う女性は非モテを狙ったほうがいい。そこであえて"セカンド"に甘んじておいて虎視眈々と狙う。面倒くさくない都合の良い女、でも愛される可愛い女になれば、本命がいても情が湧くし、いつか逆転するかもしれない」。

■「"心がハイスペック"な人を探してほしい」2代目バチェラーが苦言

 「近年はデフレで年収が下がっているという現実を踏まえると、いわゆるハイスペック男性が数が減りつつあるというのは確かだと思うが、手に入らないとわかっていてもハイスペックを求めてしまうという現実がある。『バチェラー・ジャパン』とほとんど変わらない」。「恋愛学」が専門だという早稲田大学の森川友義教授はそう話す。

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 こうした風潮に対し、"2代目バチェラー"として『バチェラー・ジャパン』に出演していた小柳津林太郎氏(36)も、出演前はマッチングアプリをよく利用していたというが、「女性に探してほしいのは、年収、学歴という形の上のハイスペックではなく、すごいピュアだとか、何かに一生懸命になっているとか、"心がハイスペック"な人」と話す。

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 「たとえば僕は女子を胸のカップでは判断しない。大きいのが似合う人と小さい人が似合う人がいるので、その人の個性。僕の彼女も大きい方じゃない。付き合うだけなら別だが、結婚を見据えるなら男女ともに"高め合う関係"が大事だと思う。自分の人生に向き合っていない女性だと、どっかで冷めちゃう自分がいますね」。

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 議論を受け、ケンドーコバヤシは「昔から女の人は年収を聞かれるし、それで正直に答えるとバッシングされる」と意義を唱え、ジャーナリストの中野円佳氏は「年収800万世帯になりたかったら自分が400万円、相手が400万円でも良いはず。頭と労力を使うなら、他のことに使えばいいのではないか」と感想を漏らしていた。また、社会学者で拓殖大学非常勤講師の塚越健司氏は「マッチングアプリを使って理想のハイスペ男子と本当に結婚できたり、バチェラー・ジャパンに出演したりできるような人はほんのごく一部だと思う。本当に頑張れなければできないし、そんなごくわずかの世界を多くの人が見ていることが面白い」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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AbemaPrime【平日よる9時~生放送】
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