高座に置かれた釈台(しゃくだい)と呼ばれる机を張り扇(はりおうぎ)で叩いて調子を取りつつ、物語を読み上げる「講談」。900人以上いる落語家に比べ、「講談師」の数は10分の1以下の80人しかいない状況だという。
そんな中、一人の講談師の登場によって、100年ぶりの"講談ブーム"が到来していると言われている。それが神田松之丞(35)だ。階級は「二ツ目」で、トップの「真打ち」ではないが、爆笑問題の太田光、椎名林檎などの著名人もその芸をこぞって絶賛、高座のチケットは即日完売してしまう。テレビや雑誌の取材、ラジオの収録もこなす多忙ぶりだ。トップバッターを務めた日の高座は平日にも関わらず満員で、本題に入る前から会場は大爆笑に包まれていた。