9月に放送されるテレビ朝日系のスペシャルドラマ『指定弁護士』で、北川景子が初の弁護士役に挑戦することがわかった。
検察が“不起訴”にした容疑者を、市民による「検察審査会」が2回続けて“起訴すべき”と判断した際に検察官役として指定される「指定弁護士」。検察が何度も「白」と判断した事件を「黒である」と主張することは、ほぼ負け戦でしかない。それでも、戦うことで見えてくる“真実”もある――。
この秋、『指定弁護士』となった京都の弁護士とバディの検察官が事件の真相と自らの道をつかんでいく本格リーガルドラマが放送される。
■北川景子が初の弁護士役に挑戦
主人公の弁護士・一ツ木唯を演じるのは北川景子。これまで数多くの作品に出演してきた北川が、同作で初めての弁護士役に挑む。クランクイン前に弁護士や裁判に関する資料と映像を見て勉強してきたという北川は、指定弁護士という特殊な職務について「『難しいな』と思いました」と率直な気持ちを告白。その上で監督や監修の先生らと語り合うことで、“真実を追う使命感”を持った唯にしっかりと向き合っているという。
市民からの声に押されて真実を追い求める中でぶつかる、数々の困難と厳しい現実…葛藤しもがきながらも弁護士として、そして人間として成長していく唯を北川は一体どのように魅せるのか。
■バディを組む検察官を演じるのは北村一輝
「指定弁護士」は検察と同等の捜査権を持つが、実際は検察官と共同で捜査を行う。今作でも北川演じる唯の捜査に協力するために京都地検の人間が派遣され、行動を共にして情報を共有することになる。
その唯のバディ役となるのが、北村一輝扮する橘慎二。検察にとって厄介でしかない「指定弁護士」を目の敵にして最初は唯にキツく当たる橘だが、やがてその存在意義に共感するようになり…。
この作品について「人間関係性の面白さがあります」と語る北村。北川とのバディについても「最初からとてもいい関係性の中で撮影に入らせていただいています」と、十分な手応えを感じている様子。
また唯の夫・一ツ木隆司役にえなりかずき、慎二の捜査を手伝う検察事務官・安倍忠一役に生瀬勝久、唯の上司でやがて彼女の前に立ちはだかる弁護士・三塚文則役に中村梅雀、唯を『指定弁護士』に誘う弁護士・神林京子を羽田美智子、唯が通うバーのマスターを松重豊、贈収賄事件をめぐる容疑者・田金清造を石橋蓮司が演じるなど、豪華な俳優陣が物語をより濃く鮮やかに彩る。
【北川景子 コメント】
――台本を読まれたご感想は?
「指定弁護士」という言葉はニュースなどで知っていましたが、詳しくは全然分かっていなくて。初めて台本を読ませていただいた時は「難しいな」と思いました。弁護士だけど、“被告人を必ず有罪にする”という目的を持って法廷に立たないといけない。(三塚役の中村)梅雀さんに「露悪趣味だ」と言われるシーンがありますが、確かに何でもかんでも明らかにすることが万人にとっての幸せではないのでは…という気持ちは私自身の中にも正直ありました。なので最初は“指定弁護士は何にやりがいを持っているんだろう?”と悩んでいたんですけど、監督とお話した際に「唯は『真実を明らかにする』ってことに使命感を燃やしている人なんじゃないかな」と言っていただいて、そこからはその気持ちを大切にして演じています。
――北川さんにとって初の弁護士役でもあります。
撮影に入る前に、実際の裁判の映像や裁判をテーマにした作品などを見て準備をしました。ただ指定弁護士に関する資料はすごく少なかったので、それについては監修の先生とお話をさせていただきましたね。
――北村一輝さん演じる橘慎二とのバディ感はいかがですか?
撮影初日に早速、後半部分のシーンを撮りましたけど、自然といろいろな時間を積み重ねてきた2人に見えていたような感じがして。初日にそういう手応えがあったので、このままいけば大丈夫だなと思いました。すごくいいコンビになっているんじゃないかなと思います。
――あらためて今作の見どころを教えてください。
事件自体はとても難しいですが、基本的には唯という30代の女性が慎二と出会って翻弄されながらも、やがて一人の人間として弁護士としてしっかりと成長していく物語です。特に普段何かに頑張っている方に見てもらってスッキリしていただけたらうれしいです。そしていつかシリーズになったらうれしいですね。そのためにも、まずは今回の作品に全力を注いでいこうと思います。また見たいと思っていただけるように頑張ります。
【北村一輝 コメント】
――台本を読まれたご感想は?
指定弁護士というキーワードも、扱う案件が贈収賄事件というのも、なかなかタイムリーだなと思いました。今はネット社会でドンドンいろいろな事が暴露されたり、この物語のようなリーガルな世界もやがて本当に起こっていくのかなと。そういう意味ではすごく的を射た話だなと思います。唯と慎二の人間としての成長も描かれているので、そこも楽しんでいただければと思いました。
――指定弁護士の唯と検察官の慎二、2人の関係性についての印象は?
誰しもが仕事をしていく過程で、どこかで自分を見失ってしまったり、例えば何のためにこの仕事を始めたのか? と我に返ったり。そういう根本の気持ちが2人を通して見えるといいかなと思います。成長でもあるし、実は初心を取り戻す行為でもある。その流れが唯とのバディ感を通して伝わるといいなと思いました。
――北川さんの印象は?
最初からとても良い関係性の中で撮影に入らせていただいています。北川さん演じる唯はとても凛としていて、でもちょっとだけ抜けているところもありますが、そこは北川さんに少し似ているかもしれませんね。
――あらためて今作の見どころを教えてください。
人間関係の面白さがあります。「普段の意見が実はこんなふうに左右されていくのだ」という世の中のカラクリが見えたりもします。話の展開が早くとても見やすいとも思います。劇中のセリフに「良くも悪くも世論には力がある」というものがありますが、今作についてもそういうことだと思います。見てくださった皆さんがもし面白かったと思っていただいたら、ぜひ「面白かった~!」と大きく話してください。そうするとシリーズ化につながるかもしれません。よろしくお願いします(笑)。
■あらすじ
京都の三塚法律事務所で、弁護士の一ツ木唯(北川景子)とボス弁の三塚文則(中村梅雀)がテレビを見ている。ワイドショーに取り上げられているのは京都選出の衆議院議員・田金清造(石橋蓮司)。問題発言の多い議員として連日取り上げられていた。事務所内には唯の夫でパラリーガルの一ツ木隆司(えなりかずき)と、弁護士の箭内光太郎の姿も。唯と箭内は未来の三塚のパートナーの座を争う間柄でもある。
やがて田金に新たな疑惑が持ち上がった。2010年に国有地を社会福祉法人『辰波福祉会』に売却した際に、不当な払い下げがあったのではないかというのだ。田金が『辰波福祉会』の名誉顧問を勤めていたことも判明し、世論からは激しいバッシングの嵐が。そしてその声に押されるようにして大阪地検特捜部が捜査に入り、田金とその秘書・斎藤益道が逮捕される。だが、結果は双方ともに不起訴処分…! 結果を受けた京都地検・特別刑事部の橘慎二(北村一輝)と白井逸雄は、苦々しい表情でそのニュースを見つめることしかできない。
そんな時、唯は弁護士仲間の神林京子(羽田美智子)から「指定弁護士をやってみないか」と声を掛けられる。被告人はなんと、あの田金。彼は不起訴処分を受けたものの、その後の検察審査会で“起訴相当”となり、さらにもう一度行われる検察審査会で再び“起訴相当”になれば、指定弁護士に強制起訴されるのだ。今や日本中の敵と言える田金…。その彼を起訴できれば弁護士としての名が売れ、三塚のパートナー弁護士の座も近付くかもしれない――。唯は指定弁護士を引き受ける。
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