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 「アホ!誰に引退せえ言ってんねん!俺は歴史を持っている男や。山根明は、売られた喧嘩は買う!」報道にそう述べ、辞任を断固拒否してきた日本ボクシング連盟の山根明氏の致命傷になったのが、"黒い交際"だった。

 暴力団組長との付き合いが始まったのは1960年ごろからだといい、連盟の理事だった山根氏が現役組長と食事をしている写真も報道されている。このことをインタビューでも認めている山根氏は「"山根は俺の舎弟や"と言っているが、盃も何も受けていません」と主張するが、当の元暴力団組長は「盃もらった・もらってないは関係ない。半世紀、俺が大なり小なり陰日向(で可愛がった)」と証言。あくまでも会長の座に居座ろうとする山根氏に対し、「わしもね、長いことヤクザしてきてね、こんなに往生際が悪い奴見たことない。(兄貴分として)情けない。恥ずかしい」。"兄貴分"の元組長も呆れ顔だった。

 山根氏はこの元組長と最後に会った時期について「4年ぐらいになるんかね」と話していることから、2011年に連盟の会長に就任した後も付き合いが継続していたことが伺える。それでも山根氏は「反社会的人間と組んで悪いことしてるんやったら別やけど、僕には何の前科もなし。きれいなもん」との認識を示していた。

 反社会的勢力との関係が明るみに出たことについて、鈴木俊一オリンピック担当大臣は「これはもう論外。そんなことが認められることは全くない」と指摘。スポーツ庁の鈴木大地長官も「これは辞任に値すると考えている」とし、「何で(黒い交際が)問題ないのか。問題あるのではないか」と、山根氏の姿勢を非難した。

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 11日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した弁護士の山口真由氏は「法律上の観点から言えば、交際を認めたからといって、ただちに違法行為、刑事事件、ということにはならないし、『暴力団排除条例』も、暴力団に対し何らかの利益を提供した事業者と国は契約しない、というだけの話ではある。ただ、通常は反社会的勢力と付き合っていた場合は排除するという規定が倫理規定の中に入っていて、そこに引っかかっているということで除名にする。規定にそれがないのがおかしい」と話す。

 告発状を提出し、現在は「日本ボクシングを再興する会」代表を務める鶴木良夫・元日本ボクシング連盟理事は「他の競技団体の規定は入っているが、ボクシング連盟の規約にはなぜかずっと入っていなかったことが今回わかった。非常に珍しいケースだ。現在の吉森照夫副会長兼専務理事は弁護士だが…」と話す。

 吉森専務理事は「反社会的勢力との付き合いは誰にでもある。過去に過ちを犯したことが分かったら付き合いを断るのか。そんなことは人間としておかしい」「子ども、選手への影響、JOCから除名される可能性などこの場をしのぐために(山根氏に)辞めてもらった」などと擁護する姿勢も見せている。鶴木氏は「副会長・専務理事がこんなことを言うなんて信じられない」と憤る。

■会員として残れば、総会に出席して発言することも可能…

 辞任会見から一夜明けた9日、晴々とした表情で「私は死ぬまでアマチュアボクシングに関係する」と決意表明した山根氏。「私は名刺を刷って、世界に"無冠の帝王"という名刺を出して生きてきている。だから肩書はどうでもいいから。役職(に固執しないの)は当たり前でしょ。無冠の帝王言ってんやさかい」と強調、「これは神が山根明に与えた力や思うてる。ボクシングを、アマチュアボクシングを愛しているから、神が背中を押してくれている」とも語った。

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 こうした山根氏の態度に、『スポーツ報知』は「山根氏、連盟居座る」という見出しで報道。山根氏が辞任する役職は「会長」と「理事」だけで、連盟の会員としてはそのまま居座る意向を示しているのだという。そうなれば、議決権はないものの、所属県の理事代行が可能で、委任状を持って総会に出席し、発言することもできる。実際、"山根派"とされる吉森副会長はテレビ朝日モーニングショー」に出演時に、関西ボクシング連盟会長は辞めない可能性を示唆している。

 また、『日刊スポーツ』によると、連盟の緊急理事会では理事全員が連名の辞任届を提示し「一緒に辞めましょう」と迫ったものの、山根氏はその場で届けを破り受理しなかったという。理事たちは改めて辞任届を作成、来年3月の任期終了前に30人全員が総辞職し、新体制に移行する見込みのようだ。

 こうした動きに「ガックリだ」と話す鶴木氏は、「私どもは当初から除名を求めて日本ボクシングを再興する会を立ち上げた。あくまでも除名に向かって突き進みたい」と訴える。会員除名のための条件は、理事・都道府県代表の5分の1以上の議決で臨時総会を招集し、3分の2以上の賛同で除名となるというものだ。鶴木氏は「臨時総会を招集するための5分の1は問題ないと思っていたが、理事のほとんどが辞めれば47都道府県の代表しか残らないので、分母は小さくなる。3分の2以上は十分に確保できる」と見通しを語った。

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 スポーツライターの小林信也氏は「反社会的勢力についての規定を入れなかったのは、都合が悪いからだろう」と指摘。「はっきり言って、山根氏が続けると言っているだけで、負け犬の遠吠えみたいなものだ。"男・山根"の美学としては、辞表を破るということが退いていくプロセスに必要だったのではないか。理事の方々もそれを察知して会長一任にしたのではないか。事実、次の日に辞任している。ただ、"辞任する"と言った段階で一切辞めるのだろうと思ったが、鶴木さんは相当心配されている。連盟の中に残る恐怖感は相当なものだろう。続けることは絶対に認められない」と厳しく批判した。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)

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