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 終戦から73年。13日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、レギュラー出演者のウーマンラッシュアワーの村本大輔とジャーナリストの堀潤が、当時10代の若さで戦地に向かった3人の戦争体験者に話を聞いた。

 村本が「今は"自衛隊になんか行きたくない"と言えると思うが、当時もそういう空気があったのか」と尋ねた。

 井上理二さん(91)は15歳で「海軍特別年少兵」として志願した。「20歳になると徴兵検査で兵隊にとられる。それだったら2年でも3年でも早く軍隊に入って出世してやろうと。新兵が入ってきた時に威張りたい、まあそういう単純な気持ちだった。国家のため、天皇陛下の御為に、なんて、まあそれは言うが、本当に国粋主義だとか、思想的なものなんかは一つもない。そんなのは分からなかった。滅私奉公と、そういうことを絶えず言ったわけだ。滅私奉公、滅私奉公。洗脳、洗脳、洗脳だ」。

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 中村五郎さん(89)は15歳の時に特攻隊に志願した。「飛行機に乗りたいので軍隊に行った。はっきり言うとね…"風立ちぬ"だ。こんなこと言うと自慢になるが、身体健全、成績優秀、品行方正、全てが整っていないといけないから、もう女の子にモテるなんてもんじゃない。ピカイチだ。日本男児が国のために死ぬということは最高の名誉だった。それ以上の名誉はないと思い込まされているから。ちっとも自分の命なんか惜しくないと」。

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 一方、19歳で陸軍に入った藤原重人(93)さんは「言えなかった、私たちが小さい時は、男だったら兵隊になって、国のために戦場に出るんだと。その一方向の教育を受けた。それが当たり前で、そうしないとまずいと言うと変だが、男としての務めだと思っていた」と振り返った。

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 藤原さんたち5000人もの兵士は、中国大陸を徒歩で3000km移動した。「3分の1は食べ物がないので死んでしまった。配給は全然ないので、農家に行ってかっぱらってきた。3歳くらいの幼児だとか、60~70歳くらいの老人が表に出てきてガタガタ震えてね。"助けてくれ"と言う。こっちだって助けてもらいたいから"何でもいいからくれ"と言った。悪いことは当然やった。そうしないと自分が生きてられないから」。

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 「戦争しているのに反戦的なことを言う人はあまりいなかったのでは。そう思っていても言えない」(中村さん)、「今は色々なことを言えるが、絶対そういう反戦的なことを口走っちゃいけない」(井上さん)という証言を聞いた堀が「新聞やラジオの影響はあったと思うか」と尋ねると、中村さんは「それはあった」、井上さんは「マスコミなんて全然信用できない。従軍記者も参謀なんかに命令されて書いているから」と答えた。

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■それぞれの8月15日はー

 村本が慰安婦問題に切り込むと、井上さんは「朝鮮半島だけじゃなくて、日本でも貧しい人が売られたりした。当時の韓国は日本と併合していたから、当然貧しい人を売買する奴はいたと思う。軍港には女郎屋が2、30軒並んでいて、女の子がズラッと並んでいた。そこに遊びに行けと、優待券と消毒クリーム、衛生サック(コンドーム)、これを三種の神器といって上陸の時に配っていた」と証言。

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 藤原さんは「中国にもあったらしい。私は3000kmも歩いてるからそういう余裕はなかったが、食料を調達するため、夜明けに部落を包囲した時、コーリャンの切り株が畑の中で山になっているのを見つけた。ほふく前進で見に行ったら、モサモサと動く。変だなと思ったら女性がいた。言葉は通じないが、そうっと"帰って、帰って"と逃しちゃった。そうしたら彼女、私が視界から離れるまで私を拝んでるの。ありがとうって。普通だったら殺されるか、もう強姦されちゃっていたと思う。そういうことがあった」と振り返った。

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 1945年4月、井上さんは、沖縄へ向かう戦艦「大和」の護衛任務に当たった駆逐艦「磯風」の乗組員だった。しかし大和は米軍の猛攻を受けて撃沈する。「沖縄の時なんかは、わずか9隻に対して、敵の機動部隊は空母17隻、航空機も800機くらい飛ばしていたはずだ。これで勝てるわけがない。負けるといっても、何か手を打つのではないかと期待はしていた」。

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 特攻隊員となった中村さんは、出撃に向け、朝鮮半島で訓練を毎日繰り返していた。「急降下と低空の編隊飛行、海の上や山間部、低い山の山間部の編隊とか、そういう訓練をずっとやっていた。死ぬことがもうじきだとはっきりしていたが、不思議なことに怖いとか嫌だとか全然そういう気持ちがなかった。"行くぜ"という気持ちだけ。先に逝った人もたくさんいる。私の5歳上の兄も特攻隊で、フィリピンで突っ込んで死んだ」。

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 そして3人はそれぞれ、8月15日の終戦を迎えた。

 中国戦線にいた藤原さんは「重大な伝達があるから集まれと言われ、夕飯後に集まった。我々の部隊はみんな喜んでいた。食べ物がないのだから」。特攻の訓練を繰り返していた中村さんは「みんな大泣きした。悲しくて悲しくて。負けるということは考えていなかった必ず勝つと思わされていた」。海軍の井上さんは「これで負けたということになると、それこそガクンとしたような気持ちになった」と明かした。

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 戦争を知る世代として、「戦争ということをもう少し勉強したら争いはなくなるんじゃないかと」と藤原さん。兄の墓に手を合わせる時には「感謝と今後も平和な社会が継続できるようにお願いしている」と明かした中村さんは「日本が戦争に巻き込まれるような、あるいは戦争を仕掛けなければならないような、色々な場面が出てくるかもしれないけど、二度と再び戦争をしてはならない」と訴えた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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