この夏は、東京女子プロレスにとって大きな変化の季節となった。

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(8.25後楽園大会で対戦する滝川と赤井。アズサと沙希様とはまた違う闘いになる)

欠場中だった黒音まほの団体卒業が発表され、のどかおねえさんは「おねえさん卒業」を宣言。8月25日の後楽園ホール大会では新たなリングネームとコスチュームで再出発を果たす。

さらに8月14日の会見でも、衝撃的な発表があった。おフランスのパリから、東京女子マットに「強く、気高く、美しく」のモットーを広めるために参戦していたNEO美威獅鬼軍の沙希様が、8.18名古屋大会をもって帰国することになったというのだ。

8.4新宿大会でアズサ・クリスティに独り立ちをうながし、再びシングルマッチを主戦場にするようになっていた沙希様。しかしアズサを送り出したことで「(気持ちの)線が切れたようになった」という。

帰国前最後の試合となる名古屋大会では、成長著しいアップアップガールズ(プロレス)のヒカリと対戦する。以前から意識するような発言をしていた沙希様だが、帰国前に最後に闘っておきたかったのもヒカリだった。

「青い果実を搾り取る」という沙希様だが、一方的に叩き潰す展開になるのか、あるいはその強さ、気高さ、美しさを伝承させる儀式となるのか。ヒカリのレスラー人生にとっても重要な一戦だ。

またアズサ・クリスティから過去の姿に戻ったばかりの滝川あずさも卒業・引退を告げた。ラストマッチは10.27新木場1st RING大会。“アナウンサー志望でレスラーになった”という独自すぎる経歴を持つ滝川は団体になくてはならないポジションを築き、またアズサ・クリスティとしては沙希様とタッグ王者にも。しかし充実していたからこそ、本人は「いつか自分でゴールを決めなきゃいけない」と考えていたという。

卒業後はあらためてアナウンサーの道を志し、また「ママタレとしてAmebaブログでも活躍したい」と滝川。結婚、出産の予定があるのかという記者からの質問には「そんな相手がいたら苦労しませんよ!」とテーブルを叩いて怒りの表情。予定どころか完全な未定、希望でしかないのだった。

それでも「結婚願望は……あります!」と涙の訴えを見せた滝川。最後のビッグマッチとなる8.25後楽園では、自身が対戦を望んだ赤井沙希とのシングルマッチが決まった。赤井に勝つことで「(赤井が所属する)オスカープロモーションのキャスター・レポーター部門に所属させていただきたい」と語った滝川だが、真面目な話をすれば赤井がプロレスを始めた時からの憧れだったのは間違いない。

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(沙希様は帰国を発表。「団体内での試合でも、仲良しこよしではなく私に向かってきた時のようなに闘うといいわ」という選手たちへのメッセージも)

また赤井も「滝川選手のことは練習生、デビュー戦の頃から見てますし、NEO美威獅鬼軍での姿も見てきました。(甲田哲也代表に)何笑ってんですか?」とコメント。

滝川はこれまでも、赤井にプライベートを含めさまざまな相談をしてきたという。しかし赤井は「リング上では優しくしないことが自分の仕事」とキッパリ。虚実入り混じる東京女子プロレスらしい闘い。だからこそ生まれるエモーションもある。そのドラマと団体の風景の変化があるから、ファンは目が離せなくなっていく。

文・橋本宗洋

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