トッププロが集う麻雀リーグ「RTDリーグ 2018」の準決勝が、9月1日からスタートする。“逆転の猿”。誰が言い出したのかは定かではないが、麻雀最強戦でもRTDリーグにおいても、猿川真寿(連盟)は劣勢をはねのける逆転劇が多い。「3節目が終わった時はマイナスポイント300台と、7位を目指すしかないんじゃないかと。全然アガれなかったんですよね。去年もそうだったんですけど」とWHITE DIVISION18回戦終了時点では▲326.3の最下位。ここから最終節までに186.7ポイントを縮め、マイナスポイントながらも準決勝進出を勝ち取った。
準決勝に残れた要因は2つあるという。「全体的にボーダーが下がったこと。そしてマイナスポイントが300台になってからは、トップにこだわらず、とにかくポイントを減らさないように打っていたこと」を挙げ「予選中盤以降、内容に関しては自分としては納得しているし、競り合いの展開が苦手じゃないので、降級システムに対する焦りもなく冷静に打てた」と異名通り、肝が据わっていた。
準決勝を明確に意識したのは、5位で迎えた44回戦だった。「当面のライバルだった4位の(鈴木)達也さんをラスにしてのトップだった」と直接対決で、120.9ポイント開いていた差を一気に9.9ポイント差まで縮めらたことで「勝負になる」と感じていた。「予選最終節までにどう戦えばいいのかというゲームの組み立てはよかった。でも好調の時に点棒を伸ばせなかったので、4万点台のトップしかない」と大トップが取れなかった悔しい思いは準決勝にぶつけるつもりだ。
昨年も今期同様、予選最下位からの逆転劇を演じ、準決勝に進出したのだが「昨年は準決勝の序盤でのんびりしちゃったんで、置いていかれたまま終わってしまった。今回は最初から確実に追いかけていかないと、決勝にはいけないので、予選で出来なかった大トップを見せたい」と思いは強い。
すでに現状ボーダーとなる瀬戸熊直樹(連盟)とは166.4ポイント差が開いている。「マイナスから準決勝なので、当然不利ですけどやり甲斐がある」と意気に感じ「苦しいは苦しいですけど、何があるかはわからない。せっかく残れたので、盛り上げるためにも早めに勝負をかけたいですね」とそこに希望がある限り、逆転のドラマは生まれるはずだ。【福山純生(雀聖アワー)】
◆猿川真寿(さるかわ・まさとし) 1979年4月18日、静岡県生まれ、O型。日本プロ麻雀連盟所属。第17期麻雀マスターズ。異名は「逆転モンキー」。
【RTDリーグ 2018準決勝進出者の持ち越しポイント】
1位 小林剛(麻将連合)+630.3→315.2
2位 鈴木たろう(協会)+520.1→260.1
3位 勝又健志(連盟)+307.4→+153.7
4位 瀬戸熊直樹(連盟)+218.3→109.2
5位 佐々木寿人(連盟)+200.5→100.3
6位 白鳥翔(連盟)+161.7→80.9
7位 内川幸太郎(連盟)+54.1 →27.1
8位 猿川真寿(連盟)▲139.6→▲69.8
※連盟=日本プロ麻雀連盟、協会=日本プロ麻雀協会
◆RTDリーグ サイバーエージェント代表取締役社長・藤田晋氏が、2016年に立ち上げた長期リーグ戦。各団体のトッププロ15人に加え、芸能界から萩原聖人が参戦。「BLACK DIVISION」「WHITE DIVISION」に分かれ、1人半荘27回戦を行う。上位4人ずつがポイントを半分持ち越して、準決勝に進出。さらに勝ち抜いた4人がポイントをリセットして決勝で争う。今期から新たに降級システムが導入され、各組予選8位は自動降級、各組予選7位は推薦者2人と入れ替え戦を行う。
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