ここ数年の日本格闘技界で最も刺激的と言えるカードが決まった。9月30日の「RIZIN.13」(さいたまスーパーアリーナ)、ここで那須川天心vs堀口恭司がキックルールで対戦する。

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(ファン待望のカードがいきなり実現。大勝負中の大勝負だ)

8月24日の記者会見では、この対戦を含め大雅vs原口健飛、ミルコ・クロコップvsロッキー・マルティネス、砂辺光久vs越智晴雄のパンクラス対DEEP王者対決などが発表。すでにアナウンスされている浜崎朱加vs黒部三奈の女子トップファイター対決も含め、現状11カードだ。

その中でも那須川vs堀口は、主催者がこの会見を「重大発表記者会見」として告知するほど力の入ったもの。キックボクシングの“神童”那須川と元UFCトップ選手、RIZINではバンタム級GPを圧倒的な実力で制した堀口の激突はドリームカードであり、榊原信行実行委員長の言葉を借りるなら“立ち技異種格闘技戦”だ。

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(会見には多数の選手が出席。ミルコはビデオメッセージを寄せた)

「これは世界が注目するカード。旬なカードで格闘技界を盛り上げたい」という那須川は「MMAvsキックボクシングの闘い、自分はキックボクシングを背負って闘います」というコメントも。

一方、堀口は初のキックルールながら自信満々。空手出身であり、世界トップレベルで闘ってきたMMAの打撃は那須川にとっても脅威だろう。

堀口は会見で「このカードで一番ワクワクしてるのは僕。ルール(の詳細)はまだ決まってないので、15分一本勝負とか完全決着的なルールがいいと思います」とも語っている。

当初はこの9月大会と大晦日で8人制のキックトーナメントが開催される予定だったが「それはやめました」と榊原実行委員長。トーナメントは大晦日に4人制で行うという。

髙田延彦統括本部長によれば、堀口が「トーナメントじゃなくてもいい。那須川くんとやりますよ」と望んだことで「トーナメントが吹っ飛んだ」という。ワンマッチであれば、ともに万全の状態で試合ができるだけでなく、トーナメントルールに縛られることもない。堀口の言うように15分一本勝負も不可能ではないわけだ。

揺さぶり、挑発、自信の表れ。さまざまな受け止め方ができる堀口の提案に、那須川は「僕も15分でいい」。ルールの詳細はこれから主催者と両営で調整していくことになるが「どうなるか分からない」という緊張感は相当なものになるはずだ。

両者とも「一つのミスが勝負を分ける」と口を揃え、那須川はポイントに距離を挙げた。ゼロ距離、100、さらに120とさまざまな距離を想定して練習に取り組むという。これはキックとMMAの違いを踏まえてのことだろう。

仮に那須川、堀口とも大晦日のトーナメントに参戦すれば、そこでの再戦があるかもしれない。しかし榊原実行委員長は「まず9月の試合がどうなるか。未知数すぎる試合ですから」と、先のことまでは考えられないという。

この試合がどうなるのか。そして試合の先に何が生まれるのか。保証されたものが何もないからこそ、刺激的な一戦なのだ。

文・橋本宗洋

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