トッププロが集う麻雀リーグ「RTDリーグ 2018」の準決勝が、9月1日からスタートする。今年WHITE DIVISIONを勝ち抜いた勝又健志(連盟)は、昨年のRTDリーグ準決勝で、一時は決勝のイスが見えたところから逆転され、涙を飲んだ。「準決勝で悔しい負け方をしたあの日からずっと、今期勝つことだけを考えて、しっかりと準備が出来た」と並々ならぬ思いがある。
確実に予選を勝ち抜くため、WHITE対戦者の研究に時間を割いてきた勝又は、トップ9回、2着9回、3着4回、ラス5回。連対率66.67%と安定した成績を残した。予選終了後からは、BLACK4人の研究に着手し、準決勝で対戦する相手7人の研究がまとまった時点で、どういう戦い方をすべきかを準備して臨むつもりだ。
準備とは「対戦相手の対局映像を見て、ターツ選択の傾向や、相手に攻められた時の押し引き選択の傾向を中心にかなり入念に見ていきます。そして自分が対局していることを想像し、自分がこう攻めたら相手はこうしてくるだろうということを予測していきます」と相手の想定打牌を自分の中に溜め込んでいく“イメージ対局”を繰り返し行う作業だという。
そして研究とは、約25%を占めるアガリ率の追求ではなく、残りのアガれない75%の追求を指していた。「アガれない局でどう得をするか。どうせアガれないんだったら相手に誤情報を与えたほうが得なんじゃないかという考えが根本にあります。手牌が入れば25%のアガリ番なので攻めざるを得ません。だから残りの75%を支配することが勝負の分かれ目」と考えているのだ。
「25%か75%か。そのどちらかなのかの見極めは、結果が出た後にならないとわからない局もあるんですけど、なるべく早い段階で見極めることが出来たら、大きなプラスになる」とし「対局相手に対しても75%の部分でどういう対応をしてくる打ち手なのかを把握することが重要。仮に自分がホンイツ仕掛けをしたら、牌を絞る人と、放銃しなければ鳴かせてもいいと考える人もいるわけです。そういう部分を準備の段階で知っておかなければいけない」と相手選手の対応によって、仕掛けの最善ポイントも変わってくるそうだ。
「いかに読みを外していけるかという面では、25%の時に75%のフリをすることも大事だし、その逆も大事なわけです。したがってアガれない局の河は、僕の麻雀の特徴のひとつですね」と日々研究に余念がない。盤石の準備と研究を積み重ね、「今年こそ」の実現に向け、麻雀IQ220がフル回転するに違いない。【福山純生(雀聖アワー)】
◆勝又健志(かつまた・けんじ) 1981年3月15日、東京都生まれ、B型。日本プロ麻雀連盟所属。第2回麻雀グランプリMAX、第32期鳳凰位。異名は「麻雀IQ220」。
【RTDリーグ 2018準決勝進出者の持ち越しポイント】
1位 小林剛(麻将連合)+630.3→315.2
2位 鈴木たろう(協会)+520.1→260.1
3位 勝又健志(連盟)+307.4→+153.7
4位 瀬戸熊直樹(連盟)+218.3→109.2
5位 佐々木寿人(連盟)+200.5→100.3
6位 白鳥翔(連盟)+161.7→80.9
7位 内川幸太郎(連盟)+54.1 →27.1
8位 猿川真寿(連盟)▲139.6→▲69.8
※連盟=日本プロ麻雀連盟、協会=日本プロ麻雀協会
◆RTDリーグ サイバーエージェント代表取締役社長・藤田晋氏が、2016年に立ち上げた長期リーグ戦。各団体のトッププロ15人に加え、芸能界から萩原聖人が参戦。「BLACK DIVISION」「WHITE DIVISION」に分かれ、1人半荘27回戦を行う。上位4人ずつがポイントを半分持ち越して、準決勝に進出。さらに勝ち抜いた4人がポイントをリセットして決勝で争う。今期から新たに降級システムが導入され、各組予選8位は自動降級、各組予選7位は推薦者2人と入れ替え戦を行う。
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