「人間の体の陰部を完全に表現できないのをいつまで続けるのかな。アダルトも、アートも。この国は、規制すれば、好感度上がると思ってるんちゃうかな?」
30日放送のAbemaTV『橋下徹の即リプ!』に寄せられた質問に、漫画家の江川達也氏と橋下氏が真正面から回答した。
江川氏は「俺はこの意見に賛成。今、ネットで"無修正"って付けて検索するだけで外国のものがバンバン見られる。そんな状態なのに日本だけが規制しても意味ないと思う。美しく描けば陰部は美しいし、僕はめちゃめちゃ上手く描いていたと思う。実は20年以上前に描いていた『GOLDEN BOY』では解禁を見越して、ちゃんと陰部を描いてた。編集部に隠してくださいって言われたからシールを貼って、"江川"っていう印鑑を押したり(笑)。いつか解禁になったらと思って書庫に原稿をしまってある。でも将来が全然来ない。橋下さん、頑張ってよ!(笑)」と激白。
そこで橋下氏に「当時は何をモデルに書いてたんですか?」と尋ねられた江川氏は「裏モノや、やっぱり記憶に残すというか(笑)。自分で言うのもなんだけど、漫画家って映像の記憶が人並み外れていると思う。"こういう絵を書いてくれ"って言われたときに、何も見ないで、どの角度からでも描ける。たとえば"地面の下から人間が走っている様子を描いてくれ"って言われても描ける。子どもの頃から見ては覚えて描くということを繰り返してきたので、頭の中にすごい映像メモリーがある。よく観察するし、資料を見て一回描くとインプットされる。印象が感動的だと、それとともに入るので、再現する時にテンション上がってさらに良い絵になる。だから陰部も、自分で見たものをグッと記憶して。暗記ですね(笑)」。
橋下氏は「全部解禁にしないとだめ。昔はヘアヌード写真もダメだったし、毛が見えたかどうかで騒動になっていた。結局、誰がわいせつかを判断しているかといえば、警察官僚や裁判官」と指摘。わいせつの定義として一般化された判例「いたずらに性欲を興奮又は刺激せしめ、正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義に反するもの」を諳んじた上で、「意味わかんないじゃん。児童ポルノは除いて、全部オープンにしないと。隠してる方がよっぽど思春期の子が変な興味を持ったり、そこに拘ってしまったりすることになる。"こんなもんだよ"って見せてあげれば、罪を犯してまで見ようとはならないと思う。また、隠したのを検査するところに天下りの団体なんかがあるから。そういうのを取っ払って見せたってどうってことない。犬とか丸見えだけど何とも思わないし、人間もそういう風になると思う」と訴えた。
MCのサバンナ高橋茂雄が「全部オープンになったら嬉しいけど、僕はどっちかというと隠してる方が好きですね(笑)」と告白すると、江川氏が「平安時代は顔を隠してて、見たい見たいってなって盗み見てたわけだから。隠すから見たくなるし、見られると女の人も燃える。興奮する。源氏物語なんて、めちゃめちゃ変態行為、いろんなフェチがある。耳を出すという行為をダラダラ書いてたり。それが本当のエロい文化であって、客観的に見ても楽しめる。そこにはシステムを考える理性が働いているから。人に規制を与えられるのではなく、自分で規制して開放して、というのがいい。エロは理性があるから楽しめる」と持論を展開していた。(AbemaTV/『橋下徹の即リプ!』より)