ついに今週末、ロベルト・カルロス氏がFリーグに参戦する。公式発表後からこの驚きのニュースが、フットサルファンだけでなくサッカーファンも巻き込んで世間を賑わせている。その中には賛否両論があるが、実際にロベルト・カルロス氏とともにピッチに立つFリーグ選抜の選手たちはどのように感じているのだろうか――。
いかにポジティブな考えに変えるか
9月7日(金)から3日間にわたり、大阪府の丸善インテックアリーナ大阪で開催されるDUARIG Fリーグ2018/2019 ディビジョン1 共同開催 大阪ラウンド。ここに元ブラジル代表DFロベルト・カルロス氏(45)が参戦することが発表された。
ロベルト・カルロス氏は8日(土)にAbemaTV DREAMSの一員としてエキシビジョンマッチに参加。元日本代表DF加地亮氏(38)やヴィッセル神戸などでプレーしたDF近藤岳登氏(37)らに加え、ルイジーニョ(名古屋オーシャンズ)、アルトゥール(シュライカー大阪)といった現役の外国籍Fリーガーらとともに、フットサル界のレジェンドで構成されるF.LEAGUE DREAMSと対戦する。
ロベルト・カルロス氏のプレーが生で見られるまたとない機会に、多くのファンやサポーターが盛り上がっている。さらに9日(日)には若手の強化・育成を目的に設立されたFリーグ選抜の一員として、公式戦である第13節のヴォスクオーレ仙台戦にも参戦する。
しかしこれをめぐっては、賛否両論分かれることに。Fリーグが世間に大きく知られるきっかけになるとのポジティブな意見がある中、公式戦に出場するということに対するネガティブな意見もある。
さらに、“ハングリー精神”と“全力プラス1%”を合言葉に結束し、試合を重ねるごとに成長を感じさせるFリーグ選抜の中に、すでに現役を引退した選手を加えること。それによって誰かがメンバーから外れてしまうことは、育成と強化を目的としたFリーグ選抜の主題に反するのではないかと懐疑的な目が向けられていることは事実だ。
しかしそう言った考えは杞憂に終わりそうだ──。
アグレミーナ浜松からFリーグ選抜に加入している新井裕生は現在22歳。ロベルト・カルロス氏がトロフィーを掲げた2002年の日韓ワールドカップの頃は小学生だったという。そのため、ロベルト・カルロス氏のプレーをほとんど覚えていないようだ。
それでも「ブラジルの左サイドバックといえば、マルセロやロベルト・カルロス。僕はサッカーで左サイドバックをやっていたので、神様のような人たちです。1人のフットボーラーとして本当に楽しみにしています」と、共演を心待ちにする。
さらに新井は、今回の共演でロベルト・カルロス氏が知る世界での経験を感じ取りたいという。
「フットサル選手でもいないような、世界での経験をしてきた選手です。フットサルもやっていたみたいなので、色々吸収できると思います。日本にない考え方などを持っているので、そこを吸収したいですね」
新井からはポジティブな意見が次々に出てくるが、逆にネガティブな考えはないのだろうか。
「(ネガティブな考えが)ないわけではないですが、それをいかにポジティブな考えに変えるか。決まったことですし、せっかくやるのであれば楽しく、学びながら。一緒に公式戦という真面目なレギュレーションに出るので、そこでいかに一緒に楽しみ勝てるかだと思っています。当然、僕らは勝ちには貪欲に。そこに関しては、(ロベルト・カルロス氏も)世界で戦っていた選手なので貪欲にやってくれるでしょう。一緒に頑張ります」
この言葉こそ彼らの強さのように感じた。決められたことに対して「仕方がないからやる」と受動的になるのではなく、あくまでも自分たちの成長のために「何かを学び取ろう」と能動的に吸収する。
そういった意味では、ロベルト・カルロス氏のFリーグ選抜参戦は大きな意味がある。新井がいうように、ロベルト・カルロス氏はサッカーといはいえ、代表レベルではワールドカップを掲げ、クラブレベルでもチャンピオンズリーグなど様々な大会で結果を残してきた本物のレジェンドだ。
生ける教材から、Fリーグ選抜が何を学び取り、何を感じ取るのか──。普段では経験できないことからより多くのことを学び取ることができれば、今回の仕掛けは本当の意味で成功といえるだろう。
文・川嶋正隆(SAL編集部)
(C)AbemaTV
AbemaTVでは第12節、第13節の「共同開催 大阪ラウンド」全試合に加え、ロベルト・カルロス出場のエキシビションマッチ「AbemaTV DREAMS vs. F.LEAGUE DREAMS」を生中継でお届けします。