映画『ペンギン・ハイウェイ』のティーチイン付き上映会が9月6日、TOHO シネマズ日比谷にて開催され、石田祐康監督と原作者の森見登美彦氏が登壇。作品に対する思いが2人の口から語られた。

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 本作は、街に突如現れたペンギンの謎を解こうと奮闘する、小学四年生の男の子・アオヤマ君のひと夏の成長を描く、青春ファンタジー映画。ファンタジア国際映画祭にて、アニメーション賞にあたる今敏賞の長編部門を受賞するなど、公開前から大きな話題を呼んだ。8月17日に公開されるや否や、口コミでも高い評価を集めているが、一部で物議を醸しているのが、アオヤマ君がおっぱい好きの少年であるという設定だ。アオヤマ君が憧れを抱く“お姉さん”というキャラクターは胸が大きい女性で、作中でも“おっぱい”というワードが度々登場する。

 客席から「おっぱいに対する熱意が強い作品であり、原作だと思ったのですが、お二人はおっぱいは好きですか?」との直球の質問が挙がると、森見氏は苦笑い。「興味ないわけじゃないけど…」と質問に答えつつ、『ペンギン・ハイウェイ』ではおっぱいを「出したかった」とこだわりを明かした。

 「子供の頃の自分をいびつに誇張したような形で、アオヤマ君という人物を作って。小学四年生ぐらいの男の子にとっての謎に直面するという状況を、描こうと思ったんです」と森見氏。自身が子供の頃、不思議に思っていた身の回りの物を挙げていく中で、思い浮かんだのが“おっぱい”だったそうだ。

 「(おっぱいは)自分自身の謎でもあるし、相手がいることだから、自分の外にある不思議なことでもある。しかもアオヤマ君は、自分でもよくわかっていない、お姉さんへの恋心を抱いている。そういった色々なアオヤマ君というキャラクターを固めていく途中で、これはどうしても必要」との結論に至ったという。さらに、森見氏は「不快に思った方がいるなら申し訳ないと思うのですが、今書くとしても、おっぱいは書くと思いますね」と断言した。

 一方で「時間もないので好きか嫌いか、だけ一言言いましょうか」とMCから簡潔な答えを求められた石田監督は「えー!そんな、いやー」とうろたえつつ、「好きですね」とキッパリ。「誤解を招く」と補足したい様子の石田監督だったが、時間の都合でそのままマスコミ向けのフォトセッションに突入し、会場が笑いに包まれる中、トークショーは幕を閉じた。

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テキスト・写真:水野梨香

映画『ペンギン・ハイウェイ』公式サイト
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