「場面緘黙(かんもく)」という言葉をご存知だろうか。学校や会社など、特定の状況では話すことができなくなる不安障害の一つで、およそ500人に1人の割合でいるとされている。17日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、"話さない"のではなく"話せない"という人たちが抱える、知られざる苦悩を取材した。
場面緘黙の当事者の一人、富山県に住む加藤諄也さん(24歳)の自宅を尋ねた。取材スタッフが加藤さんに「こんにちは、はじめまして」「この部屋に入って大丈夫ですか」「ここに座らせてもらってもいいですか」などと声をかけても返事はなく、小さく頷くだけ。人と話すことに対する緊張感から、話したくても話せなくなってしまうのだ。普段は筆談でコミュニケーションをとっており、「喉がひきしまって、力も入らない感じです」と教えてくれたが、見知らぬ人の前で文字を書くこともプレッシャーとなり、自分の思いを伝えるのに時間がかかってしまう。