日本の伝統文化として親しまれてきた相撲。大きな力士たちが戦う大相撲は、開催中の秋場所で懸賞本数が過去最多となるなど、ファンだけでなく企業からも改めてその人気を認められているところだ。ただ、外国人から見れば、見慣れた様子にも不思議なことだらけ。お笑い芸人にしてIT企業の役員を務めるアメリカ出身・厚切りジェイソンからすれば、まさに持ちネタ同様に「Why?」なことだらけだ。「Whyなこと?いっぱいあるんです」と語るジェイソンに、どんなことが不思議なのか聞いてみた。
取材を受けたのはAbemaTVの相撲中継にゲスト出演するために、両国国技館を訪れたときだ。「2005年に両親が日本に来た時、連れてきたことがあります。その時は一番安くて遠い席だったので、あんまりインパクトがなかったんですけどね」と、最初の印象を思い出した。2度目の両国国技館でも、日本人が当たり前に思っていることも、ジェイソンにとっては「?」の連続だ。特に気になったのが、力士が受け取る懸賞金と、土俵上をぐるぐると回る懸賞旗だった。
力士たるもの、土俵の上では喜怒哀楽を見せないもの。相撲界にある暗黙のルールとも言うべきものを理解はしつつ、大勢の観客の前で何袋も積み重なった懸賞金を渡す、あの一連がどうにも納得いかないようだ。「(行司は)直接賞金を渡せばいいのに、なんであの棒(軍配)に乗せて取ってもらうんですかね。それに、土俵の上であげなくてもいいし。あそこで渡すと、みんなに賞金もらったってわかるから、裏で渡せばいいのに。それがわかんないんですよ」。他のスポーツでは、ガッツポーズをしながら、賞金額の入った大きなボードを掲げるシーンがよく見られるが、力士は土俵の上で喜ばない。「土俵では謙虚でいないといけないような雰囲気があるのに、がっつり大金をつかむというのにギャップを感じるんですよね。『(無表情で)フンフンフン(手刀の仕草)、勝ちました、パーン(懸賞を受け取る様子)、万札!』みたいな」と笑った。
また、懸賞の額についても、大いに驚いた。「あれ、1袋に100万円ずつ入っているのかと思ったんですが。1回で数千万円が動いているのかと」と、金額についても疑問を持った。懸賞金は1袋につき力士の手取り分、3万円が入っている。取組前に土俵上を回る懸賞旗や、会場で配られる取組表への記載も含めて、1本につき6万2000円(税込み)。1場所(15日)で15本から、申し込みことができる。ジェイソンは「(1本)6万円って安くないですか!?他の広告はもっとかかるのに。安っ!驚きですね」と声を張った。連日、満員御礼の館内で、誰もが注目するところで企業名が出るのだから、それは格安だという。
これまでにも、様々な「Why?」をネタにしてきたジェイソンだが、相撲を知れば知るほど、新たな疑問が浮かんできそうだ。
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