
先週開催された発表会を見た人たちから「あまり変わらない?」「進化は頭打ち?」といった厳しい声が続出する中、1日早く入手したITジャーナリストの三上洋氏は「私も今回はマイナーチェンジだから買わなくていいかなと思ったが、使えば使うほど欲しくなるのがiPhoneのうまいところ」とコメント。

髪型、輪郭、肌の色を自分の顔に合わせてかわいいキャラクターが作れる新機能「ミー文字」について「ビデオ通話でこれを送ったり、まだメイクしていない場合はこのキャラクターで、Vチューバーのように喋ったりすることもできる」と説明。また、カメラのポートレートモードに追加された、撮影後に背景のボケ具合の調整ができる新機能について「後で変更できるのはすごく面白い。写真が苦手な人でも楽しむことができる」と評価した。

さらに人工知能による顔認証機能FaceIDの改善が見られるとし、「化粧していないときとか、メガネをかけているときに認識してくれないことがあるのが不満に思っている」と話す柴田阿弥も機能改善に期待感を見せた。
■ふかわ「アップルがやることじゃない」
しかし自らを「Apple信者」だと話すふかわりょうは「魅力がない」と断言。

「愛があるからこそ言いたい。こんなに高いものなのに、費用対効果があるのかっていうことになる。ミー文字だとか、あんなのアップルがやることじゃない。ぼかし機能もそんなに大事なの?みんな求めてた?。ジョブズだったら、ステージで"背景がこんなにぼけるんだよ"って言ったかな?トップが変わるとこうなる。需要はあるんだろうけど迷走している。同じことを思ってる人は少なくないはず」。
ITジャーナリストの三上洋氏が「写真や動画を見ればわかるが、液晶はどの角度から見ても非常に綺麗。高性能・高速化された新しいチップのおかげで、3Dのゲームの描画もすごく滑らかになり、電池の消費も抑えられている」と性能面について説明すると、「ゲームはiPadでやるし、動画こそiPadだ」と指摘。

「本当に申し訳ないが、新型のiPhoneに自信があるんだったら、同時にiPadも発売しているはずだ。iPhoneの進化の道筋が不安定で、ユーザーがどっちに手を出していいかわからなくなるから、iPadの発売時期をずらしているのではないか。リーク情報やネットの記事も見ているが、むしろ新型iPadどうなってるの?という関心が相対的に高まっている」と主張、「でも、Appleに求め過ぎているのかな…」と話した。
これに対し三上氏が、iOSの新バージョンに新しいiPad向けの機能が含まれていそうなので、おそらく来月くらいには出るのではないか」と推測、「クリエイターや尖った人が使うものとしてiPadの市場はiPhoneとは別に確立していると思う。ただ、スマホには革命が起きすぎて、そんなに新しい機能はもうないのかもしれない。今回のiPhoneは値段が非常に高いのが問題だが、これはもう中国勢との廉価版の戦いをせず、高級ブランドとしてやっていくというシフトチェンジなのかもしれない」との見方を示すと、東洋経済オンラインの山田俊浩編集長も「バーバリーのCEOがアップルへ移籍したし、ハイブランドのマーケティングに変えつつあると思う」と話した。
■高級路線のアップル、猛追する中国・台湾のアンドロイド搭載スマホ
実際、2016年には「それなしには生きていけなくなり想像もつかない新機能」とiPhone7をアピールしていたアップルのティム・クックCEOは今回"地球に優しい企業"をアピール。iOS12はiPhone 5sまで対応すると発表、短いサイクルでの買い替えを促すよりも、長く使える製品だということを強調したかのようにも見える。

三上氏は「これは画期的だし、高級路線とも合っている。うちの製品は高いけど、その代り品質、性能は良いし、ながく使ってくださいという戦略に変えたということだろう。1年、2年でどんどん買い替えるアップルオタク向けの商売から、数年乗って下取りをする高級車の商売のようになっていくのかもしれない」とコメントした。

世界の携帯市場を見れば、今やアップルはサムスン(韓国)、ファーウェイ(中国)に続く第3位。19日にはグーグルが日本では未発売だったスマートフォン「Pixel」の投入を発表している。

「もともとiPhoneは最新の機能・チップを入れるというよりもUI的に洗練されたものを出すというやり方だった。しかし今、チップの生産・入手、組み立ても中国勢が強いし、デザインも良くなってきている。iPhoneは高いのでアンドロイドにシフトする人が出てくるだろうし、40代、50代、高齢者の新規ユーザーは大手キャリアでアンドロイドを勧められるパターンも多い。アップリ、サムスンでは今までのシェアをキープできなくなっていくだろう」と三上氏。
群雄割拠のスマートフォン市場で、新型iPhoneの売れ行きはどうなるのだろうか。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)