「夫公認の彼氏と同居する」という新しい家族の形を選択してきた若狭朋広さん・美香さん夫婦。朋広さんがセックスレスの問題に端を発する離婚危機を回避するため、彼氏を作るよう美香さんに勧めたことがきっかけだった。今年３月、AbemaTV『AbemaPrime』が取材した際、"妻の彼氏"砂川卓也さんも「罪悪感はないですね。僕がこの家にいることが若ぴょん（朋広さん）にもメリットあるなと思っているんで」と話していた。
番組放送後、朋広さん・美香さんと２人の子ども、そして卓也さんの暮らす家に、さらに同居人が増えていた。出会いと分かれを繰り返した、若狭さん一家のそれからを追った。
■３人の子を抱えるシングルマザーが合流、９人家族に…収入は失業手当のみ
新たに合流したのは、小４、小２、３歳の子どもを抱えるシングルマザーの市川恵梨子さん（37）。彼女もまた、夫婦間をめぐる性の問題に悩み、昨年離婚した。「一番しんどかったのは、良いお母さんをやることと、良い妻をやることだった。へとへとで、求められても肉体的に全然応えられない。断ると夫婦仲が悪くなって…なんだかんだで、女手一つじゃ無理な時がある」。
そんな時、「お父さんバンク」というマッチングサイトを通じて朋広さんと知り合った。「得技を持て余している男性と、シングルマザーをマッチングさせるサイトで、私は"秋田出身なので、きりたんぽ鍋を超絶美味しく作れる"ということで登録していた。あるとき、"若ぴょんお父さんのきりたんぽ鍋を食す集い"というイベントを企画したら、えりこりん（恵梨子さん）が来ていた」（朋広さん）。
美香さんのように彼氏を作るという考えもあったが、家のスペース的に難しかったという恵梨子さん。「私も離婚する頃には夫に自由恋愛を勧めたぐらいだった。だけど夫はそれを受け入れられなくて、話し合った結果、"じゃあ別々の道を"と。美香さんのブログも読んで、すごく共感する部分があった」と振り返る。しかし、子どもとともに若狭家に２泊しながらも、恵梨子さんは当初、同居するつもりはなかったという。
それでも朋広さんは、性に関して同じ悩みを持つ恵梨子さんの助けになれればと、一緒に住むことを提案。美香さんも「全員がしっくり来た。子どもたちも５人で仲良く遊んでいたし、恵梨子は家事が好きなので、若ぴょんが頑張っちゃっていた部分を埋めれば、ピースがはまる様な感じがした」。
ちなみに、恵梨子さんは朋広さんに対して性的な感情や恋愛感情を抱いたことは一度もないという。「私と若ぴょんは、ある意味ビジネスパートナー、美香ちゃんと卓ちゃんは恋愛のパートナー」。そして朋広さんは「俺と美香は子育てのパートナーシップ」と言葉を継いだ。
４人から５人、そして９人と家族の形を変えていく若狭家。４月には、若狭家夫婦の次女と恵梨子さんの三女が幼稚園に入園した。入園式には全員で出席した。「先生に４人（夫妻・卓也さん・恵梨子さん）で挨拶した。こっちから話しかけないと、向こうも聞きづらいかないかなあと思って、"うち、こんなんなので"と周りに説明した」と朋広さん。美香さんの彼氏、卓也さんは「僕は勝手に幼稚園が歓迎ムードだと思っている！」と笑顔を見せていた。
しかし一家には心配事もないわけではない。実は４人の大人全員が定職についていないのだ。朋広さんは子育てに専念するため９か月前に退職。美香さんと卓也さんは不定期でアルバイトをしているだけで、恵梨子さんは資格取得に向けて勉強中だ。当面の世帯収入は来月から失業手当が３か月だけ出るといい、ギリギリの生活だ。
■卓也さん、恵梨子さんとの別れ、新たなメンバー探し…視聴者からは批判の声も
「若狭家を出ました。若狭家のみんな、ありがとう」。
そして今年６月、卓也さんのブログに衝撃のエントリが掲載された。更には恵梨子さんもが家を出ていってしまったのだ。若狭家は、昨年２月以来の４人家族に戻った。「経済的な理由と、子育ての価値観の違いが明確になってきて、同じチームとしてやっていくのは難しいなと思い。私が解散宣言をした」と朋広さんは説明する。今も恵梨子さんたちとは頻繁に行き来するという。「（恵梨子さんたちと）一緒に住むとなった時は、子どもたちに"きょうだいが増えるね"と話していた。５人の子どもみんなが"うれしい"と言っていた。今は親戚みたいな感覚」。
卓也さんと別れることになった美香さんは「恋愛とかセックスにあまり興味が湧いてない時期。とりあえずしんどい人がいるから一旦解散してみて、じゃあ次どうしたいか考えて行こうという感じなので、今はあんまりセックスレスの問題は考えていない」と話す。自分や朋広さんに新しい交際相手ができた場合について尋ねると、「一緒には住まない。離婚して別の人と結婚するとか、色々な選択肢があると思っている」とした上で、「わがままだとも思う。常に葛藤しながら相談しながら。"何が悪いんですか"という感じでは全然やれてなくて、怖いな、怖いな、でもやるかという感じ。子育てを放棄しないために画策している」と胸中を明かした。
朋広さんの方にも、改めて美香さんへの思いを聞いてみると、「籍を抜くことに抵抗はなくて、離婚して美香が新しい人と結婚してもここの関係って変わらない。多分、相手の旦那さんが一緒にお家に遊びに来るかもしれないし、子どもにも会いにもちろん美香も来るだろうし。家族を拡張させるイメージ。嫉妬や恋愛感情ない。親友というか、大事な家族。子どもにとっては４人でいるのが幸せそうだし、楽しそうにしているところもあるので、それを守りたいなと思う」。
若狭家では今、新たなメンバーを募集しているという。「会社を辞めたのは家事と育児に専念するためで、その代わりに妻が稼いでくれたら良かったが、うまくいかなかった。今度は自分で稼ぎたいので、その分、家事をサポートしてくれる人がほしい。子育て・家事が大好きで、一緒に人生を楽しめる方。できれば女性が良いですけど、男性でも構わないですね。価値観が合う方」と朋広さん。
そんな若狭夫妻のスタンス対しては「自分たちの都合のいいように家族を組み替えているだけではないか」といった意見も寄せられた。しかし夫妻と一緒にスタジオに登場した恵梨子さんは「挑戦しているなという感じ。核家族で子どもを育てるのに限界を感じていたし、夫婦の恋愛がうまくいかなくなるのもすごく苦しい。２人には共感できる部分があるので、挑戦は応援している」とエールを送っていた。（AbemaTV／『AbemaPrime』より）
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