9月30日の「RIZIN.13」さいたまスーパーアリーナ大会は、RIZIN史上最多となる27208人の大観衆を集めて開催された。

(大会一夜明け会見にて両者が握手)

チケット一般発売がスタートすると爆発的な売れ行きとなり、増席に次ぐ増席。それだけファンの興味を引いたのは、那須川天心vs堀口恭司というスーパーカードが決定したからだ。

デビュー以来無敗、ムエタイ王者をもKOし、MMAにも挑戦してきた“神童”那須川。対する堀口はMMAにおけるトップ中のトップ選手。UFCでタイトルマッチを経験し、RIZINではバンタム級GPを制した。

キック、MMAそれぞれのジャンルを代表する選手同士の対戦、それもルールはキックボクシングで、堀口にとっては初挑戦だ。伝統派空手をベースとする独自の打撃でKOを連発してきた堀口が打撃のみの試合でどんな闘いを見せるのかも興味深かった。

キックに足を踏み入れてきたMMAファイターに「キックボクシングを背負って闘う」と語っていた那須川。ジャンルの威信を背負った“他流試合”は試合開始時点から緊張感、興奮ともにピークの状態。それが最後まで続いた。

どちらの攻撃も鋭く、そして早い。並の選手が相手であれば、何度もKOが生まれそうなパンチと蹴りが交錯。しかしそれを読み合い、見切り合ってとてつもなくスリリングな展開になった。那須川の蹴りが金的に入るアクシデントもありつつ、最終ラウンドに胴回し回転蹴りも繰り出し、判定2-0でキックの“神童”が判定勝利。

しかし初のキックルールであるにもかかわらず“本職”の、それも世界トップ選手相手に互角の攻防を繰り広げた堀口の実力も底知れない。

試合後の那須川は、堀口を「獣みたいだった」と語っている。それだけ緊張感も恐ろしさもあったということだ。ツイッターでは「やっと日常に戻れます」と、ホッとした心境を素直に綴っている。

期待されたような派手なKO決着にはならなかった。しかし両者が見せたハイレベルな攻防、何より極限の緊張感は「これぞ格闘技」と言うべきものだった。2004年の魔裟斗vs山本“KID”徳郁とともに、長く語り継がれる一戦になるだろう。

文・橋本宗洋

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