俳優の高良健吾、木村了が、14日、よしもと祇園花月で行われた京都国際映画祭・映画『多十郎殉愛記』(2019年公開予定)ワールドプレミア上映に、中島貞夫監督と登壇した。

20年ぶりとなった中島監督の長編新作、さらには京都国際映画祭のクロージング上映ともあって、場内は満席。上映終了後には、大きな拍手が贈られた。主演を務めた高良は、「大きな拍手をいただいて、感極まりそう…」と大きな瞳に涙をためる。「うれしいです、どうでしたか?」と観客に振ると、さらに大きな拍手が贈られ、「まず(撮影地の)京都で最初にお披露目できることがうれしかったです」と、熱い言葉を寄せていた。
本作は、「殺陣の魅力を存分に見てもらうこと」をコンセプトに、時代劇映画における殺陣の魅力の根源を改めて探った1作。幕末の京都を舞台に、長州を脱藩し、日々の生活を送るのが精いっぱいの清川多十郎が主人公。多十郎、好意を寄せられている居酒屋のおとよ、弟・数馬と、それぞれの運命をたどりながら、生身の人間が見せる極限のパフォーマンスや、1本の刀に込めた「男の情念」、「殉愛」を描いた。
高良は、「中島監督の現場を踏めることが幸せなことだと思います。踏みたくても、踏める現場ではない。オリジナル脚本で、時代劇、これはもう運がいいとしかいいようがない気持ちでした」と中島監督からの想いを受け止めつつ、「怖い気持ちもありました。とんがっているものばかりを撮っていた方で、すごい方たちとやっているので、どんな現場だろう、って」と笑顔で語る。「ただ、個人的には30代最初の主演だったので、いつも以上に力が入ったかなとは思うんですよね。30代の最初にしかできなかった気持ちです」と、新たなスタートを切る作品として、これ以上ないという穏やかな表情を浮かべる。

腹違いの弟を演じた木村も、「中島監督と一緒に仕事をすることにおいては、高良君と同じ気持ちです。命懸けで数馬を体現しないといけないので、毎日緊張しながら撮影に挑んでいました」と振り返った。ふたりの俳優の気持ちを聞いていた中島監督は、「ちゃんばら映画を若い俳優さんでやりたかった。時代劇を、いい年こいたおじさんばっかでやってもダメだね」と言い、場内の温かい笑いを誘う。そして、「孫のような年齢なんですよね。はじめ話が通じるかなって思ったけど、高良ちゃんにしろ、木村ちゃんにしろ、みんなすごく素直にこちらを受け入れてくれて。今の若い人ってこんな素直で、ものすごく熱心なんですね」と相好を崩していた。

また、この日は中島監督に京都市より京都映画大賞が授与され、高良も木村も笑顔で讃えていた。


取材・文・写真:赤山恭子
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