DDT下半期の大一番、両国国技館大会(10月21日)が間近となった12日、都内のHMV&BOOKS SHIBUYAにてファン公開形式の記者会見が開催された。
(渋谷の中心部に位置するHMV&BOOKSで見事に決まったブレーンバスター)
人気選手が数多く登場、イベントさながらに開催されたこの会見。選手たちは意気込みを語り、取材陣の質問に答えたのだが、その中で異彩を放ったのが“大社長”高木三四郎とMAOだ。
両者は両国大会で凶器持ち込み可能なウェポンランブル形式で一騎打ちを行なう。今年に入ってから、両者の因縁は深まる一方。新木場1st RING大会でMAOが社用車を使って高木をはね飛ばし、春の両国大会では複数チーム参加のウェポン戦で高木が肛門爆破の餌食に。それでも遺恨決着とならず、7月のKING OF DDTトーナメント1回戦、さらに9月のキャンプ場プロレスでもやり合った。
(予想以上に長期となった高木とMAOの抗争。それだけ狂いっぷりが噛み合っているとも言える)
すでにトーナメントでシングルマッチの白黒もハッキリしている(MAOの勝利)。それでもキャンプ場では高木がカークラッシュの末にMAOに大ダメージを与え、両国での対戦へ。しかしその意気込みは言葉で伝えられるものではなく、この公開会見でも「両者の強い要望により」3分一本勝負という形式で「記者会見プロレス」が行なわれることになった。
急な決定で完全に私服の松井レフェリーが試合開始を宣言すると、高木とMAOはステージ上で攻防を展開。高木がMAOを担ぎ上げ、天井に激突しそうになる瞬間も。なんでもありのDDTだが、よそ様の備品や会場を破損するのは費用の面からもご法度となっている。
ならばと客席になだれ込みつつ、売り場が目の前にある通路でバトルを展開した2人。MAOは硬い床にブレーンバスターで高木を投げつけることに成功したものの、無念の時間切れ引き分け。MAOはあらかじめ股間に仕込んでおいた、凶器にして子供だというヒヨコのおもちゃと喜びを分かち合うことはできなかった。それにしても、渋谷のスクランブル交差点にほど近い店舗でブレーンバスターとは。道行く人々は想像もしていなかっただろう。
さすがに3分一本勝負では時間が足りず、高木は思わず「61分3本勝負でやれ!」と要求。会見2日前の大会ではMAOに「賞味期限切れ」とも言われているが、それはともかく「今日は会場スタッフの目が怖かった」という。さらにMAOのヒヨコをひねり潰すと「両国では生まれ変わった高木三四郎で挑む!」という予告も。
(会見には人気選手が多数登場)
一方、MAOは「ヒヨコちゃんは絶対に守る!」と強いこだわりを見せた。マイク・ベイリーとの「ムーンライト・エクスプレス」てタッグ王座を保持する実力派ホープであり、華麗な空中殺法を武器とするMAO。しかしもう一つの武器は狂気の域に達したメチャクチャな暴れっぷりだ。正統派路線だけでなく「DDTクレイジー部門」の後継者としても、MAOにかかる期待とやりすぎへの不安は大きい。
「最近のDDTは綺麗に整いすぎてる。両国ではDDTらしいメチャクチャさを見せてやりますよ」とMAOは前のめり。両国でも会場及び備品の破損以外は怖いものなしと言っていい。
文・橋本宗洋