DDTが10月21日に開催する両国国技館大会は、15時の本戦開始前に組まれたアンダーマッチから見逃せない。
(大阪大会のメインを締め、両国へ勢いをつけた坂崎、瑞希、中島(左から))
アンダーマッチの一つは、女子の6人タッグマッチ、山下実優vs上福ゆき&白川未奈vs坂崎ユカ&瑞希&中島翔子だ。グラビアアイドルの白川は今年8月に「ベストボディ・ジャパンプロレス」でレスラーデビューし、今回がDDT初参戦となる。プロレスの指導はDDT道場で受けてきただけに、本人にとっても待望の試合だ。しかも他のメンバーは、白川が11月からレギュラー参戦する東京女子プロレスで活躍中の主力選手。
山下はシングル王者であり、上福も芸能界からの参入組。グラビアにDVDと、白川とは共通点がある。 一方、相手チームは東京女子でも最高のチーム力を誇るトリオと言っていい。坂崎と瑞希の「マジカルシュガーラビッツ」は現タッグ王者で、なおかつ坂崎と中島の「みらクりあんず」は初代タッグ王者。東京女子の2大タッグが合体した形だ。
坂崎は“魔法少女”の異名も持つ空中殺法の使い手。中島は多彩な技巧、特にグラウンドでの固め技やロープを利用した攻撃を得意としている。瑞希は飛び技に加え、東京女子参戦以前のキャリアも含めタッグのスペシャリストといった面がある。
そしてこの3人に共通しているのが、圧倒的なスピード。動きだけでなく試合のテンポ、連携攻撃で見せる目まぐるしい速さも大きな見どころだ。連携力、一目見て伝わる動きの楽しさという意味でも、このトリオは東京女子で最高と言える。
(タッグ王座戦で大善戦を見せたのどか&ユキの姉妹タッグ「爆れつシスターズ」)
(C)DDTプロレスリング
坂崎と瑞希は、10月8日に北沢タウンホール大会で天満のどか&愛野ユキ姉妹を相手にタイトル初防衛成功。「東京女子の全選手・全タッグ相手に防衛する」という目標への第一歩を記した。続く10月13日の大阪大会では、両国へ向けトリオで試運転。才木玲佳&のどか&ユキを相手に快勝している(瑞希がユキにダイビング・フットスタンプで勝利)。
この試合では、相手3人をロープに磔にし、坂崎と中島が619、瑞希が背中へのドロップキックという合体攻撃も。フィニッシュも中島のダブルアームDDT→坂崎の魔法少女スプラッシュからつなげた連続技だった。
両国ではこの3人、いや対戦する6人全員で東京女子をアピールしたいところ。同時に北沢と大阪では、姉妹タッグ「爆れつシスターズ」の成長ぶりも光った。以前のリングネームは「のどかおねえさん」、キャラクター優先に思われがちだったのどかだが、今夏のシングルトーナメントでは山下を下している。5月に妹のユキがデビューしたことも発奮材料になっており、また姉と組むことで自他ともに認めるシスコン・ユキが力を発揮しやすくなってもいる。
この2人が“メイン級の戦力”になったことで、東京女子の陣容はさらに分厚いものになった。加えて白川の参戦、また11月からは練習生3人が随時、デビューしていくという。そのことは、もうすぐキャリア1年を迎えようとするアップアップガールズ(プロレス)への刺激にもなるだろう。
(両国大会に参戦する白川は11月から東京女子レギュラー出場。下北沢大会では水着姿でファンに挨拶)
(C)DDTプロレスリング
10月14日には4年ぶりの福岡大会も成功。現在の東京女子は選手数、観客動員、興行規模を増やし続けている。両国大会でも、その勢いが感じられるはずだ。
文・橋本宗洋