
きのう午前、YouTubeで動画の閲覧や投稿、ライブ配信ができない事態が1時間以上にわたって続いた。通常、動画のサムネイルになっている部分は真っ黒になり、スマートフォンでアプリを立ち上げると、映写機のマークが映し出された。

「息子がトーマスとかの動画を見せろと泣き出すので困るんだ」
「日曜日試験だから、移動中に見ながら勉強したいのに」
「生活や社会に浸透しているものが使えないとなると、みんな大打撃だよなー」
思わぬ事態に、動画を見ることが生活の一部となっている人たちの悲鳴がTwitterにも相次いだ。
■YouTuber「生きていけなくなる」
YouTubeが長時間ダウンした場合、そこを生活の拠り所とするYouTuberへのダメージも計り知れない。人気YouTuber「6面ステーション」のメンバー、しもDさんは「こういうことが起きるとは思っていなかった。本当に勘弁してほしい。僕たちは大学生だが、YouTubeでしか生きていけない人間。過激なことをやって広告が付かなかったり、動画が消されてしまったりすることもあるので。一応データは取ってあるが、こういうことがあると将来がすごく不安になる」と話す。

「ピーク時の稼ぎで計算すると、1時間あたりの収益は1250円だった。つまり今回の障害では2500円も失ってしまうことになる。アクティブユーザーが多い午後6時~9時ごろだと、もっと損害が出た可能性がある。朝でよかった。世界中探しても、YouTube以上のプラットフォームはないと思う。ニコニコ動画に行くという選択肢もあると思うが、ファン層も違うので、同じ動画は出せない」(しもDさん)。
YouTubeの動画をサイトや記事などに埋め込んで使用している多くの企業やメディアも影響を受けた。ジャーナリストの堀潤氏も、主宰するニュースサイト『8bitNews』に掲載した動画が閲覧できなくなった。

「台風24号の被害を受けた鹿児島県徳之島での取材映像を前日にアップしたばかりだった。"これからアクセスが…"という時に閲覧できなくて参った。政治的な内容を含むコンテンツの場合、詳しい説明も無いままプラットフォーム側の判断で弾かれてしまうこともある。一つのサービスに依存していると、突然世界に発信することができなくなるので、いろんなところに発信の回路があることが大事だと思う。だからYouTube依存でいいのか、他の動画サービスも必要かなと思いつつも、一番便利でグローバルなので…。逆に短い時間で復旧してくれてありがとう、と言わなければいけないのかもしれない」(堀氏)。
■井上トシユキ氏「絶対に障害が起こらないということはない」
障害の解消後、YouTube Japanは「現在は解決しておりますが、まだ問題が起こるという場合はご報告ください。この度は、ご不便をお掛けしたことをお詫び致します」と公式コメントを発表している。

今回の障害についてITジャーナリストの三上洋氏は「全世界にデータを送るアメリカのデータセンターでの人為的ミスや物理的障害などが理由か。サイバー攻撃であれば一時的につながる場合もあるので、そうした可能性はない」と推測。ITジャーナリストの井上トシユキ氏とスマートニュースの松浦シゲキ氏も同様の認識を示した。
「1つの拠点が破壊され、ダウンしても連絡網は残り、他がカバーするというのが、軍事目的で作られたインターネットのもともと発想。ただ、根っこのところでトラブルが起きると、こうした混乱は避けられない。もはやインフラになっているので、動いていて当たり前、トラブルが無くて当たり前という感覚になっているかもしれないが、非常に複雑なシステムや人々の頑張りの上に成り立っているので、絶対に障害が起こらないということはない。また、Googleのようなガリバー企業がこうしたサービスを独占する中、オルタナティブな企業が商売として成り立つかどうか。みんなネットに依存しすぎなので離れろと思うし、アーカイブをどうするのかということも含め、使う側がもう少し意識したほうが良い」(井上氏)。

普段YouTubeで筋トレの動画などを見ているという司会進行の小川彩佳アナも「いち企業のサービスを社会のインフラにしてしまっているということを改めて自覚した。突然ダウンしたり、無くなってしまったりすることもあると思い知らされた」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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