亀田3兄弟の三男・亀田和毅（協栄＝27）と、スペインのアビゲイル・メディナ（30）によるWBC世界スーパーバンタム級暫定王座戦（11月12日・後楽園ホール）が、AbemaTVで独占生中継される。バンタム級に続いての2階級制覇に向けて「いい試合をして、世界チャンピオンになる姿をみんなに見てもらいたい」と意気込む和毅が、インタビューに応じた。世界タイトル戦から離れた3年間について、兄弟の絆について、そして目標とするボクサー像について、“亀田家大復活”を賭けた大一番に挑む和毅の心境に迫った。
――和毅さんにとって世界タイトル戦は3年ぶり。先日の会見でも「めちゃめちゃ長かった」と仰っていましたが、あらためてこの3年間を振り返った思いを聞かせてください。
ホンマに長かったですね（笑）。4団体、どのチャンピオンもやってくれへんという状況が2年くらい続いて……。毎日の練習のモチベーションを維持するのに苦労しました。もちろんノンタイトル戦も大事ですけど、やっぱりボクサーならみんな世界戦がしたいし、世界チャンピオンになりたい。俺も1回はチャンピオンになりましたけど、ずっと2階級制覇のチャンスを待っていました。
――3年という時間はボクサーにとって決して短くありません。やはり焦りはありましたか？
それはもちろんありました。ボクシング人生ってすごく短いですし、いつどうなるかわからないじゃないですか。明日とか明後日にも怪我で出来ひんようになったり、「この1試合で終わりかも」というのが当たり前のスポーツなので。
――その長い3年間を過ごすうえで、支えになったものはありましたか？
周りのみんなのサポートのおかげですね。応援してくれる人もたくさんいましたし、試合がなくてもずっと支えてくれたスポンサーの人たちやスタッフ、トレーナー……。みんなが気持ちを落とさずにサポートしてくれたので、いつも勇気をもらっていました。
――これまで長男の興毅さんが3本、次男の大毅さんが2本の世界のベルトを巻いてきました。和毅さんも自身2本目のベルトを目指すことになりますが、亀田家にとって「世界のベルト」とはどんな意味があるのでしょうか？
どのベルトももちろん重要なんですが、今回のベルトには今まで以上に重たい意味があると思っています。4年近く亀田家にベルトがない状況で、日本で試合ができない時期もありましたから……。ずっと海外で試合をしてきた中で、今回こうして日本で世界戦ができるのはやっぱり嬉しいですね。ここからが本当のスタートなので、僕自身にとっても、亀田家にとっても大一番になると思います。
――世界チャンピオンとしても先輩である2人のお兄さんから教わったことで、特に印象深いことや思い出に残っていることはありますか？
うーん、難しいですね（笑）。小さいときからずっと一緒にやってきているので。朝起きて、走って、夕方も練習して……。そんなふうに兄弟で過ごした時間すべてが財産なので、「これ」というのはないです。
――スーパーバンタム級に階級を上げて4試合目。バンタム級時代と比べて変わったことやレベルアップした部分を教えてください。
減量はバンタム級時代よりもだいぶスムーズになりました。加えて今回はフィジカル専門のトレーナーを入れたことでパワーもついてきているので、自分としても試合が楽しみです。
――これまでとはちょっと違う自分が見せられる、と。
今までのスタイルだったら俺の得意分野のスピードにみんな注目すると思うんですけど、それにプラスしてパワーがついたことでさらに面白いボクシングが見せられると思います。あとは頭の成長ですね。ここ最近、だいぶクレバーな戦い方ができるようになってきました。4回戦や6回戦ならともかく、世界トップクラスの相手には頭を使わないと勝てない。「相手がこう来たら、こう合わせる」という作戦はしっかりと考えています。
――対戦相手についての印象や、特に気を付けている部分はありますか？
相手にとってはアウェイの日本での試合ですから、相当強い気持ちで倒しにくると思いますよ。でも倒しにくるということは、それだけチャンスがあるということでもあります。むしろそういう気持ちで挑んでくれたら、試合はすぐに終わるんじゃないですからね。もうイメージはできています。
――先日の会見では「今が一番いい時期」という言葉もありました。今回のタイトル戦、さらにその先に見据える目標を教えてください。
目標はたくさんあるんですけど、すべては今回の試合でしっかりと2階級制覇を達成してからですね。最終的な目標は、世界中に“亀田和毅”というボクサーを認めてもらって、何十年後、何百年後になっても「亀田和毅って強かったな」と言われるような存在になること。海外でも当たり前にメインを張って、2万人でも3万人でも集められるような、そんなボクサーになっていければと思っています。
（C）AbemaTV
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