10月18日、新木場1st RINGにて「ベストボディ・ジャパンプロレス」の旗揚げ2戦目が開催された。肉体美を競うコンテストがプロレスにも進出、DDTが協力し、芸人なべやかん、グラビアアイドルの白川未奈もデビューしたイベントだ。

(チェリーの厳しい攻撃に苦しんだ白川。「グラマラス・ストロング・スタイル」を標榜しており、リングでもあくまで正攻法で勝負したい)
もともと大のプロレスファンである白川は、ファンだからこそ選手になることに躊躇があったという、だがデビューが決まると基礎からしっかりと練習を積み、8月のデビュー戦の後にはメキシコでの試合も経験している。この新木場大会では、初のシングルマッチ。豊富なキャリアを誇るチェリーに挑んだ。
「プロレスを始めて、もっとプロレスが好きになりました」という白川。芸能人の単発的なプロレス参戦ではなく、あくまで本気のプロレス活動だ。だからこそチェリーも手を抜かなかった。
序盤から髪の毛を掴んでの攻撃など、ラフな面も織り交ぜてイニシアチブを離さない。ロープに磔にして背中にドロップキック、キャメルクラッチに逆エビ固めと腰への集中攻撃で圧倒していった。

(最後はサソリ固めでギブアップ負け。見せ場も作ったがペースを奪うまではいかず)
白川はコルバタ、ランニング・ネックブリーカードロップなど少ないチャンスに反撃。劣勢の中でも相手をしっかり見据えてエルボーを返すなど、新人レスラーに欠かせない気迫は見せたと言っていい。その一方で投げ技が不完全になる場面も。シングルマッチだけにこれまで以上のダメージがあり、またスタミナも奪われたようだ。最後はサソリ固め、チェリー曰く「蠍座の女固め」で白川がギブアップ。
力の差を見せつけられた形だが、白川は試合後にマイクを握り「もっと強くなったら、もう1回お願いします!」。バックステージでは「つらい、苦しい。それと痛い、苦しい。デビューしてプロレスに近づいたと思ってたら、また遠のいていっちゃいましたね」。チェリーの実力には「私はプロレスっぽいことをしてただけかもしれない」というほどの差を感じたそうだ。

(メインではなべやかんが政宗と組み、大石真翔&旭志織の名タッグと対戦。合体技「サボテンの花」に敗れたやかんだが、コーチでもある大石から「このリングを引っ張っていくのはあんただ」とエース指名を受けた)
実はチェリーは、以前DDTで女性向けプロレス教室の講師を務めていた。白川が11月から定期参戦する東京女子プロレスにも、チェリーの教え子がいる。今回の一戦、東京女子参戦を控えた白川に「チェリー先生」が指導をしたのかもしれない。新人選手にとっての課題を、的確に指摘するような試合といえばいいだろうか。
ともあれ、本気でプロレスに取り組むと誓った以上、白川がすべきはレスラーとしてのレベルアップのみ。10月21日にはDDTのビッグマッチ、両国国技館大会も控えており「時間がないけど毎日道場に行きます」と語った。その「なんとかしなければ」という思いをリングにぶつけることが、両国での白川のテーマだろう。
文・橋本宗洋
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