“テレビ朝日開局60周年記念作品“として2019年4月から放送される、倉本聰氏作の帯ドラマ劇場『やすらぎの刻(とき)~道』。その中で、重要な役割を担うキャラクター、根来公平役に風間俊介が決定した。
風間は役作りのため、人生初の坊主頭になることを決断。“断髪式”にはなんと“お嬢”こと白川冴子役を演じる浅丘ルリ子がサプライズで登場し、風間の髪をバリカンでバッサリと刈り上げた。
さらに、橋爪功が風間からバトンを引き継ぎ、公平の晩年を演じることも決定。風間と橋爪が、公平という人物の生涯を名演技でリレーする。
『やすらぎの刻~道』は、2017年4月~9月に放送され好評を博した『やすらぎの郷』の主人公・菊村栄(石坂)が執筆するシナリオ『道』が映像化されていく――というストーリー。
菊村が筆をとりはじめた新たなドラマ『道』は、山梨県のとある山間の村を舞台に昭和、平成を生き抜いた無名の夫婦の生涯を綴るもので、テーマは“ふるさと”。昭和初期からはじまり、戦中、戦後、平成という時代の移り変わりを、1年間をかけて丁寧に描いていく。作品の前半の主演は、清野菜名。戦後の高度成長期を経て現代にいたるまでの後半、いわば主人公の晩年を八千草薫が演じる。
■浅丘ルリ子「参ります!」
風間が扮するのは、のちに清野菜名ふんするヒロインの夫となる養蚕農家の四男、根来公平。ストーリーテラーとして『道』の物語を導いていく、重要な役どころだ。13歳の少年時代(昭和11年)から演じることとなった風間は、役作りのため坊主頭になることを決意し、“断髪式”がスタジオ内の控室で行われた。
丸刈りは人生初という風間は「断髪式は、役へのスイッチが入るきっかけになると思います。これがスタートだと思うと、身が引き締まります」と話しながら、鏡の前にスタンバイ。そこに、“ベテランのヘアメーク”として浅丘が登場する。浅丘と風間は、2008年の舞台『恋はコメディー』の共演をきっかけに、互いに信頼を寄せ合う間柄。浅丘はこの日、早朝からのロケを終えたあと、風間の断髪式が行われることを知り、先にスタジオ入りして風間を待っていた。
「私が(カットを)やらせていただきますが、よろしいでしょうか?」と現れた浅丘。風間は「うわぁー!」とビックリしたものの、「うれしいです! 僕はルリ子さんに身を委ねます。公平になる準備は整っていますから」と即答する。
浅丘もバリカンを手にするのは初めてながら、そこは百戦錬磨の大女優。「覚悟はいいわね? …参ります!」と宣言し勢いよくバリカンを入れると、すぐに要領を把握して丸めていき、カット開始からわずか5分できれいな丸刈りに。風間は「思っていたよりも違和感がないです。“ルリ子カット”だと自慢します!」と、浅丘に感謝。一方、浅丘は「かわいい!」「似合う!」を連発し、「こんなに坊主頭が似合う人はいないわね。俊介は本当に頭がよくて、どんな現場でもやっていける俳優さん。私が保証します」と太鼓判を押した。
そして、断髪式から数日後――風間は神奈川・相模原の川原で撮影開始。最高気温26度の爽やかな天候ながら、現場は肌寒さすら感じる山中。冷たい川の水に膝までつかって、幼なじみと魚をとるシーンなどを熱演した。
13歳の公平になりきって初日の撮影に挑んだ風間は「川の水はすごく冷たかったのですが、ほかのキャストの皆さんと一緒に演じることで、初めて公平という役が見えた気がしました。台本を読んで間違いなく面白い作品になると思ったのですが、実際に現場に入ってその手応えが確信に変わっています。公平としてきちんと生きていきたい!」と決意を新たにしていた。
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