“麻雀IQ220”と称される男の巧妙な打ち回しがファンを唸らせた。11月1日に行われたプロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」の2回戦。EX風林火山・勝又健志(連盟)が、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)の親リーチの圧力を掻い潜ってのフリテンツモという攻防一体の妙技を見せた。
この日の2回戦は、東1局から勝又と松本の激しいアガリの応酬となった。まず起家の勝又がタンヤオ・イーペーコー・ドラ2の12000点(+供託1000点)を松本から出アガリ。次局の1本場ではお返しとばかりに松本がリーチ・一発・イーペーコー・ドラの8000点(+300点、供託1000点)を勝又にお見舞いし、点棒状況が平たくなって迎えた東2局。ここでも2人の激しい攻防が展開された。
ピンフ系のまとまった配牌を手にした松本を追いかけるように、勝又も順調に手を進めた。先にテンパイした親番の松本が、10巡目に3・6索待ちの先制リーチで大きなプレッシャーをかけた。このリーチに対して、イーシャンテンの勝又はツモった六万を危険牌と判断。手牌の中で完全に浮いたこの六万をキープして、松本のスジである雀頭の7筒を払った。リャンシャンテンに手を落としたことで終戦の気配が濃厚になるも、ここからが勝又の真骨頂だった。
次のツモですぐさま七万を引いた勝又は再度7筒を打ってイーシャンテンに回復し、その2巡後にはテンパイ。アガリ牌の八万は5巡目に切っていたためフリテンとなったが、ベタオリとは異なる丁寧な迂回ルートでしっかりとツモアガリの可能性を残した。
完全に手を崩すことなくテンパイまでこぎつけた勝又の苦心が報われたのはさらにその2巡後だった。一度は切った八万をフリテンツモ。リーチ・ツモ・ピンフ・赤の5200点(供託1000点)で、見事に松本の親リーチに打ち勝ってみせた。
この勝又の打ち回しに、視聴者からは「上手い」「凄すぎ」「マジか!」といった絶賛のコメントが殺到。解説を務めていた赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)も「これは上手いですね。しっかりと守備をしながら攻撃型でもある。これをどっちと取るかですよね。守備型なのか攻撃型なのか……。そういう話なのかな?」と、やや混乱しながらも称賛していた。守備型の選手と自称している勝又だが、攻防一体となった流麗なその打牌は、単なる守りの麻雀とはまるで別物だと多くのファンに知らしめた1局となった。
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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