8月5日(日)、後楽園ホールにて開催された『Krush ウェルター級タイトルマッチ』で爽快なKO勝利をおさめ、見事チャンピオンとなり絶好調の木村“フィリップ”ミノル。
勢いそのままで11月3日(土・祝)に開催される K-1 WORLD GP 2018 JAPAN「第3代スーパー・ライト級王座決定トーナメント」では強敵ジョーダン・ピケオーと激突!「本物の格闘技を見せる」と頼もしい発言をしてくれるミノル選手にたっぷり話を聞いてきました。
■ラッパー“RUSS”はマジで音楽の実力だけで上がって来ている
―最近気になるアーティストを教えてください!
ここ2~3ヶ月ほどで一番ハマってたのがRUSS(ラス)。もうシンプルに「かっこいい」と思いました。夜中のYouTube掘り下げタイムに発見したんですが、トラックもラップもヤバいし、今のラッパーとはちょっと違ったルックスも逆にかっこよく見える。とりあえずおすすめなのが「Do It Myself」と「Me You」!でも一番好きなのは「The Flute Song」。(ここまで超早口)
▼Russ - Do It Myself (Official Video)
▼Russ - Me You (Official Video)
▼Russ - The Flute Song (Official Video)
この人は自分でトラックを作っているんですが、マジで良いんです。しかも本当に色んな表情を持っている。「MVP」とかも良い曲ですよ。
▼Russ - MVP (Official Video)
RUSSは、今時のラッパーたちと比べると、やや地味ってこともあるのか、あんまりメディアに取り上げてもらえない。インディーでの音源制作とライブだけでファンを獲得してきた人なんです。プロモーションに頼らず、マジで音楽の実力だけで評価されるって凄いことですよね。なので、たとえ今時のラッパーと動画の再生回数が同じだったとしても、数字の重みが全然違う。
―歯に衣着せない発言でも知られてますよね。
「今の曲は全部一緒に聴こえる。でもラッパーが悪いんじゃなくてプロデューサーが悪い」なんて発言をして、アメリカ中のプロデューサーを敵に回したり。
―「ほとんどのラッパーはメディアに取り上げられてるだけで、本当は人気がない。金も持ってない」って断言しちゃったり。
そうそう。でもそんなことが言えるのは、嘘を吐かずに自分の力のみで勝ち上がってきているからこそ。で、そんなRUSSが「これが俺のスタイルだ!」と自己紹介している曲が「Exposed」です。
▼Russ - Exposed (Official Video)
―リリックの中で、プロモーションには熱心だけど、全然曲を作らないラッパーをディスしてますね。
そう!しかも曲がカッコイイんですよ!あと「Losin Control」も挙げておきたい。すごくチルな曲で「Exposed」と同じ人がやっているとは到底思えない。このPVにもRUSSが出てるんですけど、こう言う曲調で、こんな静かな感じのPVなのに、ちゃんと絵になっている。こんな人は他にはいないですよ。
▼Russ - Losin Control (Official Video)
ーーそれにしても口調からハマってるのが伝わって来ます。
今年の夏はRUSSでした。なんか「8Mile」のEminem(エミネム)的な雰囲気があるんですよ。顔つきから「やりたい」という気持ちが伝わってくる。実は長いキャリアがある人なので、活動する中で知り合いも増えてるだろうと思うんですよ。なのに他のアーティストとあんまりコラボすることがない。成功してもテンションを保ち続けているのが凄い。
―ミノルさんもリングでは一人ですもんね。エミネムといえば、新作アルバムが出ました。
『Kamikaze』っすね。やっぱりEminemのラップはすごい。時代を作った人は違う。
▼Eminem - Fall
Machine Gun Kelly(マシンガン・ケリー)をディスした曲もキテましたね。大御所になってもケンカ腰であることを止めない(笑)。若い子たちに噛みついたりして、全然勢いが衰えないすよね。
▼KILLSHOT [Official Audio]
スリム・シェイディのフローですよね。リリックをしっかり聞かなくても明らかに馬鹿にしているのがわかる(笑)。ただこの曲に対するMachine Gun Kellyのアンサーソングも良かったんですよ。「お前は“ラップゴッド”って呼ばれてるかもしれないけど、俺は“ラップデビル”だぜ」みたいな。ちゃんとリスペクトがこもってる。ディスられたのが嬉しかったのかもですね。俺、エミネムにディスられたらガッツポーズすると思いますもん(笑)。エミネムって本当にダサい奴のことはディスらないんで。視界にも入れない。
▼Machine Gun Kelly "Rap Devil" (Eminem Diss) (WSHH Exclusive - Official Music Video)
■ピケオーもヒップホップ好き。僕もヒップホップで入場してやろうかな。
―11月3日に試合がありますが、練習が盛り上がってきてると思います。最近練習の定番曲などはありますか?
練習では昔から聴いてるゴリゴリ系の曲が多いかもしれません。一曲ずつ選んでるわけにもいかないんで、MIXとかアルバム単位で聴くことが多いかな。相変わらずFrench Montanaの『EXCUSE MY FRENCH』というアルバムを通して聴いてる感じですね。めっちゃ練習中って感じで完全に戦うリズムになってくるんですよ。
▼French Montana - Freaks (Explicit) ft. Nicki Minaj
それとFrench Montanaなら「Ocho Cinco」すね。このころのFrench Montanaは格闘技にはピッタリっす。練習中はこっち。あとは「Don't Panic」とか。
▼French Montana - Ocho Cinco ft. Diddy, Red Cafe, MGK, King Los
▼French Montana - Don't Panic
―練習の方はどうですか?
もちろんディフェンスも強化しつつという形ですが、なんだかんだで重きを置いているのは打撃面。ハッキリ言って僕は数多くの選手をブッ倒して来ました。それでもいまだに「どうやったら効くパンチが打てるんだろう」って考えながら練習しています。French Montanaでテンション上がりすぎて、トレーナーにキックを受けるのを嫌がられたりしてますね!(笑)
―どんな試合になりそうですか? 今回対戦するジョーダン・ピケオー選手の印象を聞かせてください。
めっちゃ強く、そして男から見てもカッコいい。戦い方やKOもスタイリッシュだし、チャンピオンっぽいオーラを持っている。これまでの僕はスタイルが合わない選手を無理やり自分のペースに巻き込んでる感じの試合が多かったんです。でも今回はスタイルの合う選手なんで楽しみです。それと、彼はヒップホップ好きで、入場曲にヒップホップの曲を使っているんです。だから僕もヒップホップで入場してやろうかな、と。試合開始前からガッチリぶつかりますよ。