亀田3兄弟の三男・亀田和毅(協栄=27)とアビゲイル・メディナ(30)のWBC世界スーパーバンタム級暫定王座戦が、11月12日に後楽園ホールで行われる。和毅の2階級制覇、そして“亀田家大復活”を賭けた大一番を前に、亀田家の長男・亀田興毅が「兄弟スパーリング」を敢行した。

先日行われた公開スパーリングで、和毅は1階級上のフェザー級の世界ランカーを左ボディ1発でマットに沈め、順調な仕上がりぶりを披露。天性のスピードとテクニックはそのままに、肉体改造で強化したパンチ力もスーパーバンタム級を飛び越えて通用するレベルにまで達していた。
すると試合の2週間前、ジムを訪れた長男・興毅がリングに上がった。亀田家の復活に誰よりも熱い情熱を抱く“浪速の闘拳”が、三男・和毅と1ラウンド限定の兄弟スパーリングに臨んだのだ。

今年5月に限定的な復帰戦を行っていたとはいえ、現役を退いて久しい興毅。ボクサーとして旬を迎えつつある和毅とのスピードの違いは明らかだったが、何発打たれても愚直に前に出ては気持ちの入ったパンチを放った。わずか1ラウンドながら、終了後にはジムの床に倒れ込むほど全力を尽くしたスパーリングだった。
卓越した和毅のボクシング技術について、興毅は「世界トップクラスですよ」と評価したものの「テクニック面で言えばね」。さらに「ボクシングはテクニックだけが全てじゃない。結局、最後は気持ちと気持ちのぶつかり合いやから。カッコいいボクシングじゃなくても見せられるもの、伝えられるものはあるんじゃないかと思って」と今回のスパーリングの意図を改めて説明していた。

こうして和毅に“闘拳魂”を注入した興毅だったが、改めてスパーリングの映像を振り返ると「軽く遊ばれてましたね。圧倒的な差でした」と苦笑い。しかし兄と拳を交えた和毅は「お兄ちゃんたちが引退して、残っているのはもう俺しかおらんくて……。それだけ背負っている分、気持ちは強くなってきている。みんなのために、亀田家のためにも、絶対にチャンピオンになりたい」と、熱い思いをしっかりと引き継いでいた。亀田家の復活に向けて、11月12日は気持ちの込もったファイトを見せてくれそうだ。
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