"東洋一の歓楽街"と謳われ、人々の欲望を飲み込んで来た新宿・歌舞伎町。一歩足を踏み入れると、暴力団組員風の男が「お前みたいなハナクソに!クソガキが黙っとけコラ!」と怒鳴り声を上げていた。先月25日、この街を舞台にホスト文化を広め、カリスマと呼ばれた人物がこの世を去った。
 それが、最盛期には400人を超えるホストが在籍し、年商20億円を稼いだ伝説的ホストクラブ「クラブ愛」の元社長・愛田武さんだ。19歳で新潟から上京、家具販売会社の営業を経て28歳の時にホストに転職。以後50年にわたって、歌舞伎町で根を生やすように生きてきた。私たちが現在抱くホストクラブのイメージは、愛田さんが築き上げたものといっても過言ではない。