亀田3兄弟の三男・亀田和毅(協栄=27)と、スペインのアビゲイル・メディナ(30)によるWBC世界スーパーバンタム級暫定王座戦が、11月12日に後楽園ホールで行われる。試合に向けて調整を続ける同級1位のメディナが、8日に協栄ジムで練習を公開した。
この日の練習で、メディナは笑顔を交えながらシャドーボクシングやミット打ちなどのメニューを消化。計量直前ということもあり強度は決して高くなかったものの、細かいステップを確認するようにきびきびと動く姿が印象的で、順調な調整ぶりを伺わせた。
練習後、集まった報道陣の取材に応じたメディナ。長時間のフライトということもあり6日の来日時はやや疲れた表情を見せていたが、現在は時差ボケもなく「ゆっくりと眠れるようになった」という。減量も無理なく進んでいるようで「コンディションはバッチリ」と仕上がりに自信を見せた。
精悍な顔立ちの中でも特に目を引くのは、立派にたくわえられた顎のヒゲだ。練習を見学していた亀田3兄弟の長男・亀田興毅(31)も「顎がどういう形か見たかったんですけど、ヒゲが多すぎてちょっと見えないですね(笑)。顎が強いのか、弱いのか……」と困惑するこのヒゲについて、メディナは「試合によって剃ったり剃らなかったりする」と煙に巻いた。ボクサーにとっては試合の勝敗を左右する急所だけに、しっかりと守りたいという意識が働いているのかもしれない。
対戦相手の和毅の印象を問われると「普通の日本人と変わらない。余裕ですね」と自信たっぷりの“先制口撃”。スピードの和毅VSパワーのメディナという予想についても「相手の映像を見ていないのでよく知らない。リングに立ってやり合うだけ。スピード? パワー? 私のポテンシャルの方がはるかに上です」とまったく意に介さなかった。
メディナの武器は強烈なパンチと荒々しい連打。特に右ストレートは一撃で試合を終わらせる破壊力を秘めている。拠点とする欧州では「ハンマーパンチ」と恐れられており、本人もここ数試合はハンマーを担いで入場するほど気に入っている愛称だという。メディナの豪打については、長男・興毅も「上半身がしっかりしていて背筋力がある。パンチには相当自信を持っているんじゃないですか」と警戒感を強めていた。
和毅の「150%勝てる」という発言を受けて、「リングに立てば白黒はっきりする」と不敵な笑みを浮かべていたメディナ。取材の最後には自身の象徴であるハンマーを報道陣に手渡され、ラテン系らしい陽気な笑顔で写真撮影に応じていた。恐怖のハンマーパンチは、亀田家の復活の野望をも打ち砕いてしまうのだろうか。11月12日の決戦は一瞬たりとも目が離せない展開になりそうだ。
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