亀田3兄弟の三男・亀田和毅(協栄=27)とスペインのアビゲイル・メディナ(30)のWBC世界スーパーバンタム級暫定王座戦が11月12日に後楽園ホールで行われる。和毅と亀田家にとって3年ぶりとなる念願の世界タイトル戦に向けて、3兄弟の次男で元ボクシング世界2階級王者の亀田大毅(29)が、試合の勝敗を「客観的に見たら五分と五分」と予想した。
今回の試合の練習には帯同していないという大毅は、和毅のコンディションを問われ「どうなんですかね。逆に教えてほしいくらいですよ(笑)」とまさかの逆質問。しかしその穏やかな口ぶりからは、間近で成長を見守り続けてきた弟への信頼と愛情を感じさせた。
タイトル戦から遠ざかった和毅の3年間については「歯を食いしばってチャンスを待っていたんじゃないですか。僕にもそういう時期がありましたから。ボクサーとして本当に苦しい時期……。(和毅も)苦しかったと思いますよ」と、兄として弟の心情を思いやった。さらに「ボクシングっていうのはベルトを持っていない人間は立場が弱いんです。ずっと相手待ちの状態になるわけですから」と世界の舞台で戦ってきた自身の経験を交えて、あらためてマッチメイクの難しさを力説した。
そしてついに迎えた千載一遇の好機。しかし試合の勝敗に話が及ぶと、大毅は真剣な表情で「勝ちも負けも、どちらもあり得るでしょうね」と切り出した。両者の拮抗した実力を「相手のメディナもかなりいい選手なので、単勝オッズで言うならお互いに2倍くらい」と競馬好きの大毅らしい言い回しで表現。「僕からすれば和毅は兄弟だから当然オッズは下がりますけど、客観的に見たら五分と五分じゃないですか」と決して簡単な試合にはならないと予想した。
誰よりも世界タイトル戦の難しさを知っている大毅だけに、その言葉は重い。しかし「正直、僕はもう冷静な判断ができないです(笑)。勝ってほしいという思いが強すぎるから」という兄の応援は、2階級制覇を目指す和毅にとって何よりも大きな後押しになるはずだ。家族のサポートを受けて、“亀田家最終兵器”は難敵・メディナを退けることができるのか。運命の日は刻々と迫っている。
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